欧米市場の株式、債券、為替、商品相場は 次の通り。

◎NY外為:ドル上昇、米金融政策当局者のタカ派発言が材料

  19日のニューヨーク外国為替市場ではドルが上昇。主要10カ国通貨全てに対して上昇した。米金融政策当局者によるタカ派的な発言がドルを押し上げ、主要10通貨に対するドルの動きを示すブルームバーグ・ドル・スポット指数は一時0.4%上昇した。米国債の利回り上昇も支援材料だった。

  ニューヨーク連銀のダドリー総裁は19日、ニューヨーク州プラッツバーグで講演し、「拡大局面がやや長期化しているが、実際のところまだ長く継続すると強く確信している」と述べた。市場参加者は20日に予定されているフィッシャー連邦準備制度理事会(FRB)副議長ら複数の金融政策当局者の発言に注目するとみられている。

  ニューヨーク時間午後5時現在、ドルは対円で0.6%上昇して1ドル=111円53銭。ユーロはドルに対して0.4%安の1ユーロ=1.1149ドルとなっている。

  米連邦公開市場委員会(FOMC)は今月13、14 両日に定例会合を開き、フェデラルファンド(FF)金利誘導目標を1-1.25%のレンジに引き上げた。年内の利上げについてはあと1回との見通しを維持した。ダドリー総裁はこれまでFOMCの決定に反対票を投じたことはなく、イエレンFRB議長の見解に近いとされている。

  クレディ・アグリコルCIBの為替ストラテジスト、バシーリ・セレブリアコフ氏(ニューヨーク在勤)はダドリー総裁の発言はバランスシート正常化に対する当局の姿勢をあらためて示唆しているが、それでも「景気をどのように捉えているのか、また最近の軟調な経済統計の内容をなぜ懸念していないのかなど当局には説明すべき点が多くある」と述べた。同氏はドルの上昇は短期的だとみている。

  この日のドルは新興市場通貨の大半に対しても上昇した。特に南アフリカ・ランドに対して大きく上昇した。
原題:EUR Drops to Low Under 1.1150, May Test Range Lows Near 1.1100(抜粋)
U.S. Tech Stocks Rally; Dollar Gains, Bonds Slide: Markets Wrap(抜粋)
Fed’s Dudley Confident That U.S. Expansion Has ‘Long Way to Go’(抜粋)
Dollar Gains as Dudley Comments Seen Signaling Fed’s Resolve(抜粋)

◎米国株:テクノロジー主導で上昇、主要指数は最高値更新-鉄鋼も高い

  19日の米株式相場は上昇。テクノロジー主導で上げ、主要株価指数は過去最高値を更新した。

  テクノロジー銘柄の比重が高いナスダック100指数は昨年11月以来で最大の上げ。同指数は前週まで週間ベースで続落していた。

  また鉄鋼株も高い。鉄鋼輸入品がもたらす国家安全保障上のリスクへの対応で、トランプ米大統領に「大胆な行動」を取る意向があるとロス商務長官が確認したことを受けた。

  S&P500種株価指数は0.8%上げて2453.46。ダウ工業株30種平均は144.71ドル(0.7%)高い21528.99ドル。いずれも終値ベースで過去最高値を更新した。

  テクノロジー株の反発は、週明けの市場で地合いがリスクオンとなっていることを裏付けた。アップルは3%近く上昇した。ナスダック100指数は1.6%高。

  テクノロジー株ではこのほかマイクロン・テクノロジーやアドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)も大きく上げた。

  ロス商務長官はブルームバーグテレビジョンとのインタビューで、トランプ大統領は国内の鉄鋼産業の保護で、大きな措置を講じる可能性があると指摘した。鉄鋼の個別銘柄ではニューコアやUSスチールなどが高い。

  S&P500種の業種別11指数では情報技術株の指数が1.7%上昇と最大の上げ。このほかヘルスケアや金融、素材なども上げた。一方で原油相場の値下がりを手掛かりに、エネルギー指数は0.7%下落。
原題:U.S Stocks Climb to Record as Tech Shares Advance With Nasdaq(抜粋)
原題:U.S. Tech Stocks Rally; Dollar Gains, Bonds Slide: Markets Wrap(抜粋)
原題:U.S. Steelmakers Gain as Trump Readies ‘Bold Action’ on Imports(抜粋)
原題:MARKET WRAP: U.S Shares Climb as Tech Posts Best Day This Year(抜粋)

◎米国債:反落、NY連銀総裁が「金融引き締め」発言-株高も重し  

  19日の米国債相場は反落。ニューヨーク連銀のダドリー総裁の金融政策関連発言をきっかけに午前の取引で売りを浴びた。その後はハイテク株の持ち直しやドル上昇が背景となった株高もあって、引けにかけて下げ幅を拡大した。

  ニューヨーク時間午後5時現在、10年債利回りは4ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上げて2.1879%。30年債利回りは1bp上昇の2.7849%。
ニューヨーク連銀のダドリー総裁は同州プラッツバーグで、金融当局の狙いは「景気拡大を止めるのではなく、長期間維持できるよう金融政策を非常に賢明なやり方で引き締める」ことだと述べた。

  ソシエテ・ジェネラルのストラテジスト、キット・ジャックス氏は顧客向けリポートで、「『キャリー・パーティー』が再開し、世界中のリスク資産が再び値上がりしている」と指摘。連邦準備制度理事会(FRB)のイエレン議長は、米国金利に関する当局のタカ派的見通しを真剣に受け止めるよう「市場を全く説得できていない」と記した。

  今週は、フィッシャーFRB副議長、ボストン連銀のローゼングレン総裁など米金融当局者の講演が数多く予定されている。
原題:USTs Bear Flatten After Hawkish Dudley Comments Spark Sell-Off(抜粋)
原題:Dudley Says Fed Doesn’t Want to Slam on Brakes, Cause Recession(抜粋)
原題:U.S. Tech Stocks Rally; Dollar Gains, Bonds Slide: Markets Wrap(抜粋)

◎NY金:反落、1カ月ぶり安値-逃避の買いが減退

  19日のニューヨーク金先物相場は反落。1カ月ぶりの安値となった。逃避需要が弱まり、欧州の政治的不透明感も和らぐ中、ヘッジファンドが資金を引き揚げた。ファンドマネジャーらはこうした展開を予測して、先週の米連邦公開市場委員会(FOMC)決定以前に金の買い越しを減らしていた。
  ゼイナー・グループ(シカゴ)のシニアバイスプレジデント、ピーター・トーマス氏は電話インタビューで、「大きく上昇した後の市場には疲れが出ている」と指摘。「地政学的な情勢やフランスの選挙を手掛かりにかなり大量に買われてきたが、それらはもはや材料ではなくなった」と述べた。

  ニューヨーク商品取引所(COMEX)の金先物8月限は前週末比0.8%安の1オンス=1246.70ドルで終了。一時は中心限月として5月19日以来の安値をつける場面もあった。

  銀先物も下落。ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のパラジウムは値下がり、プラチナはほぼ変わらずで引けた。
原題:Gold Futures Slide to One-Month Low Amid Waning Haven Demand(抜粋)

◎NY原油:反落、米国やリビアでの生産増で-供給過剰の中

  19日のニューヨーク原油先物市場でウェスト・テキサス・インターミディエート(WTI)先物は反落。米石油会社のリグ(掘削装置)稼働数が引き続き増加し、さらにリビアの生産が増えていることが、石油輸出国機構(OPEC)主導の供給過剰への取り組みを弱めている。

  みずほセキュリティーズUSA(ニューヨーク)の先物部門ディレクター、ボブ・ヨーガー氏は電話インタビューで、「原油やガソリンの在庫が再び増加すれば相場上昇は見込めない」と指摘した。

  ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のWTI先物7月限は前営業日比54セント(1.2%)安い1バレル=44.20ドルで終了。同限月は20日が最終取引日となる。ロンドンICEの北海ブレント8月限は46セント下落の46.91ドル。
原題:Oil Declines as U.S., Libya Pump Into Oversupplied Global Market(抜粋)

◎欧州株:ストックス600上昇、仏選挙結果を好感-独DAXは最高値更新

  19日の欧州株式相場は上昇。マクロン仏大統領率いる政党が先週末の国民議会(下院)選挙で過半数議席を獲得したことを受け、同国株が買われた。ドイツ株も上昇し、過去最高値を更新した。

  ストックス欧州600指数は前週末比0.9%高の391.94で終了。年初来上昇率は8.4%となった。5月には9.7%上げていた。

  仏CAC40指数も5月以降で最大の上げを演じた。マクロン大統領率いる新党「共和国前進」が歴史的大勝利を収めたことが買い材料。年初来では9.2%高と、ストックス600指数を上回っている。

  独DAX指数は1.1%上昇の12888.95と、今月2日につけたこれまでの最高値を更新。ドイツ銀行とティッセンクルップの上げが目立った。年初来では12%上げている。

  CMCマーケッツ(ロンドン)の市場アナリスト、マイケル・ヒューソン氏はリポートで、「先週は中央銀行に関するイベントが多くあったが、今週は全く落ち着いた様相だ。重要な経済データの発表も予定されていないが、政治が引き続き波乱要因になる可能性はある」と指摘した。

  業種別では、国債利回り上昇を背景に銀行株が1.1%上昇。鉱業株は1.8%上げ、全体を押し上げた。
原題:Broad Rally in European Stocks as French Equities Jump on Macron(抜粋)
Germany’s DAX Rises Most in 2 Weeks to Close at All-Time High(抜粋)

◎欧州債:中核国債が総じて下落、利回り曲線は平坦化-株高で

  19日の欧州債市場ではユーロ圏中核国の幅広い年限の国債が下げた。株高と信用スプレッド縮小が進み、周辺国が比較的堅調だった。

  ドイツ国債の利回り曲線が平坦化。ロンドンのトレーダーによれば、世界的な利回り追求から超長期債に対する需要が強く、平坦化を促す動きが続いた。ドイツ国債の5年物と30年物の利回り格差は2bp縮小。

  周辺国債は上昇し、イタリア10年債利回りは3bp低下。スペインで週内に新たに10年債が発行されるとの観測が広がったものの、既発10年債の利回りはわずか1bpの上昇にとどまった。
原題:Global Core Curve Flattening; End-of-Day Curves, Spreads(抜粋)

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