債券市場では超長期債相場が上昇。超長期ゾーンを対象とした流動性供給入札の結果が順調だったことを受けて買い戻しが入った。一方、長期ゾーンは前日の米金利上昇や円安・株高を受けて上値の重い展開が続いた。

  20日の現物債市場で新発20年物161回債利回りは日本相互証券が公表した前日午後3時時点の参照値より1ベーシスポイント(bp)高い0.57%で取引を始めたが、入札結果の発表後に0.555%まで低下した。新発30年物55回債利回りは1bp低下の0.80%に買われた。

  SMBC日興証券の竹山聡一金利ストラテジストは、「流動性供給入札は無難からしっかりといった結果で超長期が買い戻された。20年ゾーンはロールダウンが一番とれる上、全体的に落ち着いている中では買いやすかった」と指摘。「ただ、10-20年スプレッドが昨年12月の0.5%まで縮小しており、さらなるタイト化は日銀オペ減額も意識される」と言う。

  長期国債先物市場で中心限月9月物は前日比5銭安の150円37銭で取引を始め、一時150円36銭まで下落した。午後の入札結果の発表後に横ばいの150円42銭まで戻す場面もあったが、結局4銭安の150円38銭で引けた。

  長期金利の指標となる新発10年物国債の347回債利回りは0.5bp高い0.055%、新発5年物132回債利回りは0.5bp上昇のマイナス0.075%で推移した。

  この日の東京株式市場では日経平均株価が0.8%高の2万230円41銭と年初来高値を更新。東京外国為替市場のドル・円相場は一時1ドル=111円78銭と約3週間ぶりの高値を付けた。前日の米国市場ではニューヨーク連銀のダドリー総裁が講演で米国経済の明るい見通しを示し、景気拡大を損なわない「非常に賢明な」金融引き締めを目指すと発言。主要株価指数が過去最高値を更新する一方、米10年国債利回りは前週末比4bp高い2.19%程度に上昇した。

  三菱UFJモルガン・スタンレー証券の稲留克俊シニア債券ストラテジストは、「ハト派と目されているダドリー総裁が景気・物価に強気の認識を示した。その発言はFRB(米連邦準備制度理事会) の年後半の利上げや再投資停止の実現可能性を意識させた」と指摘した。

流動性供給入札

  財務省がこの日実施した残存期間15.5年超から39年未満の流動性供給入札では、投資家需要の強弱を反映する応札倍率が2.80倍と、前回4月6日の同年限入札の2.81倍とほぼ横ばいだった。平均利回り較差はマイナス0.001%。

  メリルリンチ日本証券の大崎秀一チーフ金利ストラテジストは、きょうの流動性供給入札について「需要が集まりやすい年限だ」と言い、「5月のフランス大統領選後に上昇した超長期金利が押し戻された背後に都銀の買いがあったことも日本証券業協会のデータで確認された」と指摘した。

過去の流動性供給入札結果はこちらをご覧ください。

  日本証券業協会が発表した5月の国債投資家別売買動向によると、都市銀行は超長期債を5216億円買い越した。生命保険・損害保険の超長期債買い越し額は2597億円だった。SMBC日興証の竹山氏は、「生保の超長期買いはそれほど積極的でもなく、利回りが目線に届いてないのかもしれない」との見方を示した。

  一方、日本銀行は20、21日に債券市場参加者会合を開く。3月の長期国債買い入れオペのスケジュール事前通知の導入を「市場調節に関する懇談会」で発表した経緯がある。SMBC日興証の竹山氏は、「どこかのゾーンの需給が非常にタイトになっているとかイールドカーブが非常にゆがんでいるということもなく、日銀が何か変えるタイミングでもないのではないか」と述べた。

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