国内大手メディアが実施した世論調査で安倍晋三内閣の支持率が軒並み急落、「森友」「加計」と政権のガバナンス能力が問われる相次ぐ問題発覚に加え、共謀罪法を巡る国会運営に非難が集まった格好だ。朝方の段階では株式相場への影響を懸念する声が一部であったが、19日の日本株は上昇して終了。投資家が冷静な背景には、強力な野党など政権を脅かす対抗馬の不在がある。

  共同通信が17、18日両日に実施した全国電話世論調査によると、安倍内閣の支持率は45%と前回5月から10.5ポイント下がった。不支持率は43%で、8.8ポイント上昇。学校法人「加計学園」の獣医学部新設計画で、行政がゆがめられたことはないとの政府側説明に納得できないと回答したのは73.8%だった。

2012年12月以降の安倍内閣の支持率推移
2012年12月以降の安倍内閣の支持率推移
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  野村証券投資情報部の小高貴久エクイティ・マーケット・ストラテジストは、現状では「支持率・不支持率が逆転したわけではなく、政権交代が実現する危機的状況ではない」との認識だ。三井住友アセットマネジメントの市川雅浩シニアストラテジストも、「現時点で政権内で新しい動きが見えておらず、政権が揺らぐというところまではいっていない」との受け止めている。

  第2次安倍政権以降の支持率(共同通信調べ)と日本株の推移をみると、支持率は2013年4月に72%を付け、15年6月には38%まで低下する局面があった。この間、日経平均株価は1万3000円台から2万円台に上昇。昨年6月に1万5000円台まで下がったが、内閣支持率は50%付近で横ばいだった。三井住友アセットの市川氏は、過去をみる限り、「一般的に内閣支持率と株価は直接的な影響はない」と言う。

  ただし、トランプ政権がロシアゲート問題を抱える米国、英国の欧州連合(EU)離脱交渉の渦中にある欧州に比べた政治の安定感は日本株の支援材料となってきただけに、今後安倍政権に対する信頼が一段と失われれば、株価への影響は避けられなくなりそうだ。東海東京調査センターの平川昇二チーフグローバルストラテジストは、「少なくとも米国より良いというのが日本株の一つの買い要因となっていた。そこが揺らぎ始めていることはプラスではない」とし、「支持率は株価指数や海外投資家の売買に先行する。今後は影響が出てくる可能性がある」と話していた。

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