東京外国為替市場ではドル・円相場が1ドル=111円前後で推移。国内株価の上昇などを背景にリスク選好によるドル買い・円売りが優勢となった。

  19日午後3時23分現在のドル・円は前週末比0.1%高の111円03銭。前週末の米国市場でドル安となった流れを引き継ぎ、朝方には110円75銭まで下げた。その後は仲値にかけて水準を切り上げ、一時111円14銭まで上昇した。主要10通貨に対するドルの動きを示すブルームバーグ・ドル・スポット指数は0.05%上昇。

  みずほ証券の山本雅文チーフ為替ストラテジストは、株式相場が上昇基調、世界経済も拡大が続く見通しであり、「広い意味での緩やかなリスクオンで、円は売られやすい」と説明。「米連邦準備制度理事会(FRB)は、第1四半期の景気減速やインフレ率の減速も一時的と今のところ判断している。仮にインフレ率が上がらなくても景気拡大が続くなら利上げをしていくだろう。共和党が景気刺激策を年内に決める前提でドルは緩やかに上昇していくのでないか」と語った。

  19日の東京株式相場は続伸。日経平均株価は前週末比124円49銭(0.6%)高の2万67円75銭と2万円台を回復して取引を終えた。前週末の米株式市場でS&P500種株価指数は小幅高。この日の時間外取引で米10年債利回りは一時1ベーシスポイント(bp)高の2.16%に上昇した。

  JPモルガン・チェース銀行の棚瀬順哉為替調査部長は、米連邦公開市場委員会(FOMC)後、「リスク回避の動きは限定的でドル・円のサポートとなっている。ボラティリティーが低く、調達通貨の円が売られる展開」と述べた。

  各社世論調査によると、加計学園問題などが響き安倍内閣の支持率が低下、軒並み50%割れとなった。もっとも市場への影響は限られた。野村証券の池田雄之輔チーフ為替ストラテジストは、「海外投資家は基本的にアベノミクスが強くなれば株高・円安と思っているが、そういう期待感はなくなっている。日本の政治がよほど不安定化しないと、投機的な株売りや円買いにはつながりにくい」と説明した。

ドルと円
ドルと円
Photographer: Tomohiro Ohsumi/Bloomberg

  前週末16日の米国市場では、住宅統計や消費者マインド指数が市場予想を下回ったことで今後の利上げに不透明感が強まり、ドルが下落。対円で一時110円65銭まで下げた。19日の米国では、ニューヨーク連銀のダドリー総裁やシカゴ連銀のエバンス総裁の講演が予定されている。

  三菱東京UFJ銀行金融市場部為替グループの野本尚宏調査役は、FRB高官らの発言は「前週のFOMCを受けてハト派なものにはならない見通し」としたうえで、これに「株高、ボラティリティー低下によるクロス円の上昇が加われば、ドル・円はレンジの上限を見に行く可能性がある」と語った。同氏は109-112円をコアレンジに上下50銭のオーバーシュートを見込んでいる。

  ユーロ・ドル相場は同時刻現在、1ユーロ=1.12ドル前後と小動き。ポンド・ドル相場は1ポンド=1.2768ドル前後。早朝に一時1.2744ドルと15日以来のポンド安・ドル高水準を付けた。

  棚瀬氏は、ユーロについて「仏選挙はマクロン新党が過半数上回る勝利と予想通りの結果だったので、影響は限定的」とした。ポンドについては「英国の欧州連合(EU)離脱に対する不透明感があり、ネガティブな報道が出ればポンド売りにつながる。不安定な動きが続く」とみている。
  
  英国は19日、EUからの離脱交渉を開始する。初回会合では取り組む必要がある問題と交渉形式が焦点になる見通し。EU当局者によると、メイ首相率いる英政府は譲歩を示し、交渉姿勢を軟化させているという。

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