安倍政権:足元揺らぐ「1強」、内閣支持率が軒並み50%割れ

更新日時
  • 加計問題、政府の説明に「納得できない」が7割超-共同調査
  • 自民・野田毅氏らはアベノミクス検証で勉強会-石破氏が出席

Japanese Prime Minister Shinzo Abe speaks during a press conference in London on April 29, 2017 to sum up his visits to Russia and the UK. Abe concluded a three day visit to Russia and the UK where he met with President Vladimir Putin in Moscow and Britain's Prime Minister Theresa May and discussed various issues including the world economy and global security. / AFP PHOTO / Daniel LEAL-OLIVAS (Photo credit should read DANIEL LEAL-OLIVAS/AFP/Getty Images)

Photographer: DANIEL LEAL-OLIVAS/AFP/Getty Images

安倍晋三内閣の支持率が、先週末実施の報道各社の世論調査で軒並み50%割れとなった。学校法人「加計学園」(岡山市)の問題やテロ等準備罪新設法(「共謀罪」法)の成立を巡る国会対応が影響しているとみられる。自民党内では来年の総裁選もにらみ、「1強」と呼ばれた首相に対抗する動きも出てきた。

  「規制改革は行政をゆがめるのではなく、ゆがんだ行政をただすものだ」-。安倍首相は19日夕の記者会見で、国家戦略特区諮問会議で加計学園による獣医学部新設計画を認めたことの正当性を強調した。同学園の加計孝太郎理事長は安倍首相自身、国会答弁でも友人と認めた人物。前川喜平前文部科学事務次官は、朝日新聞のインタビューで行政がゆがめられたと主張していた。

  ただ、同問題を巡る議論などに国会審議の時間が割かれたことに関しては「国民の皆さまに大変、申し訳なく感じている」と陳謝。内閣府と文部科学省とのやり取りを記載した文書の確認に時間がかかったことが「政府への不信を招いたことは率直に認めなければならない」との認識も示した。

安倍晋三首相

Photographer: Tomohiro Ohsumi/Bloomberg

  東京大学大学院の内山融教授は13日の取材に対し、加計問題は安倍政権にとって「かなりの打撃にはなるだろうが、決定的な違法行為はない。イリーガルなことはやってない。それで首相を退陣することにはならない」と指摘。信頼を回復するまで選挙は先延ばしになると分析し、年内の衆院解散は考えにくいとの見通しを示した。

内閣改造

   
  共同通信が17、18両日に実施した世論調査で、内閣支持率は44.9%と前回5月の調査から10.5ポイント急落した。獣医学部新設計画で、行政がゆがめられたことはないとの政府側説明に「納得できない」としたのは73.8%に上った。内閣支持率は19日付の朝刊各紙に掲載された調査結果でも読売新聞と日経が49%、朝日41%、毎日36%と落ち込んだ。

  15日の参院本会議で成立した「共謀罪」法をめぐる政府・与党の対応に批判の目を向ける国民も多い。共同調査では、参院法務委員会での採決を省略した与党の手法は「よくなかった」と67.7%が回答。読売では50%が法成立を「評価する」と答えたが、政府・与党が内容を国民に「十分に説明した」と思わない人は80%に上っている。

  菅義偉官房長官は19日午前の記者会見で、世論調査結果について「一喜一憂すべきではない。国民のために真に必要な政策、このことを一つ一つ的確に国民に説明しながら、着実に進めていくことが大事だ」と語った。

  首相は記者会見で、内閣改造、自民党役員人事について問われ、アベノミクスの強化、働き方改革などの重要政策を推進するため、「人材を積極的に登用し、党においても、政府においても、しっかりした体制をつくっていくことが必要」と指摘。「そうした観点も踏まえながら、党役員人事、内閣改造についてこれからじっくりと考えていきたい」と述べた。

野田毅氏らが勉強会

  自民党内では野田毅前税制調査会長、村上誠一郎元行政改革担当相、野田聖子元総務会長ら安倍政権と距離を置く議員が中心となって5月に「財政・金融・社会保障制度に関する勉強会」を発足。15日に開いた第2回会合には国会議員37人が出席し、2012年の総裁選で首相と争った石破茂元幹事長も初めて顔を見せた。

  政治評論家の有馬晴海氏は野田毅氏らの勉強会が「1強」と呼ばれる安倍政権を「脅かす存在になるかどうかは分からない」としながらも、「国民の期待に応えられなくなった場合の受け皿をつくろうという動きだ」と分析。来年の総裁選で安倍首相への対抗馬擁立につながる可能性があるとの見方を示す。

  石破氏は14日、日本外国特派員協会での記者会見で、「経済政策において、あるいは社会保障政策において、あるいは安全保障政策について違う考え方を持っているとするならば、それは私であれ、誰であれ、出るべきものと思う」と語った。

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE