エアバッグの大規模リコール問題に直面するタカタ株が週明けの取引で、値幅制限いっぱいのストップ安売り気配となっている。前週末にタカタが民事再生法の適用を申請する方針であることが明らかになっていた。

  19日のタカタ株は、最後に取引のあった15日終値から80円安の404円とストップ安売り気配となっている。16日には日本経済新聞朝刊がタカタの民事再生法適用の申請について報じたことを受け、東京証券取引所は同社株の取引を停止していた。

  情報が非公開であることを理由に匿名で話した関係者によると、タカタは早ければ今週にも民事再生法の適用を申請する方針で、申請のタイミングは変わる可能性があるという。タカタからの依頼で再建を主導してきた外部専門家委員会はこれまでに、中国系の米自動車部品メーカー、キー・セーフティー・システムズ(KSS)をスポンサーの最有力候補に挙げており、手続きが順調に進めば法的整理の上で同社からの資金を受けて再生を目指すことになる。

  タカタは経営難に陥って以来、1年以上にわたって再建策を模索してきた。世界2位のエアバッグメーカーだったタカタの法的整理の方針についての報道を受けて国内主要自動車メーカーからは部品の安定供給を求める声が相次いだ。

  ホンダの八郷隆弘社長は16日の会見で、タカタに関する報道についての質問に「われわれとして詳しい内容はまだ聞いていない」とコメントを控えたいとした上で、「部品供給をしっかり最優先に考えるよう第三者委員会にも言っている」と話した。トヨタ自動車広報担当の愛川そのみ氏もタカタの再建問題について「コメントする立場にない」としながら、トヨタとしての現時点での優先事項は顧客への交換用インフレータ(膨張装置)の安定供給を確実にすることだとした。
  

取引先の債権どうなる

  16日の日経報道によると月内にも東京地裁に申し立てるとしていた。信用情報を扱う東京商工リサーチ情報本部の原田三寛情報部長は、企業の法的整理方針に関する報道で実際の申請の時期まで最大で半月も間を持たせていることはあまり例がないと指摘。同社の顧客であるタカタの取引先から自社が保有する一般債権の取り扱いがどうなるのか問い合わせを多く受けているという。

  原田氏は、タカタの再建協議の過程で一般債権の取り扱いについてはこれまで言及されていないとし、サプライヤーの不安を取り除くためタカタはできるだけ早く方針を示すべきだとした。一方、自動車業界はサプライチェーンが強固で取引先同士の結び付きが強いことが特徴で、「大きな混乱が起きるとは想定していない」とも述べた。

  タカタは16日、法的整理適用申請の報道について、現時点で何ら決定した事実はないとのコメントを発表した。再建策についてはKSS、自動車メーカー、金融機関、外部専門家委員会など関係者間での最終的な協議に基づき、外部専門家委員会が最終提案をする予定とした。私的整理に限定することなく、あらゆる選択肢が検討されていると了解しており、タカタとしては外部専門家委員会の提案を踏まえ取締役会で最終的に再建策を決定するとしている。

  タカタ製エアバッグでは、インフレータが異常破裂する恐れがあり、米国を中心に死傷者も出ている。国内外の自動車メーカーは搭載車のリコールを拡大し、対象製品は1億個規模に上るとみられ、対策費は暫定的に自動車メーカーが負担している。タカタは前期決算で3期連続赤字となり、自動車メーカーなどと再建計画の策定を進めてきた。

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