19日の東京株式相場は続伸。為替の落ち着きで企業業績への楽観的な見方が広がったほか、経済統計が低調な米国の金融引き締めペースは緩やかとなり、世界的な流動性相場は持続するとみられた。サービスや医薬品、建設株など内需セクター、電機や繊維株など幅広い業種が高い。

  TOPIXの終値は前週末比10.03ポイント(0.6%)高の1606.07、日経平均株価は124円49銭(0.6%)高の2万67円75銭。ただし、注目度の高かったイベントを前週までに通過、週初とあって積極的な取引も控えられ、東証1部の売買代金は6月に入り初めて2兆円を下回った。

  三井住友アセットマネジメントの市川雅浩シニアストラテジストは、「日米の金融政策会合を波乱なくこなし、安心感がある」と指摘。また、住宅着工件数など「米経済統計の弱さは本来株価にマイナスだが、米利上げが早くできないということで、低金利の長期化が好感されている。緩やかなペースでの利上げが続くなら、大きな株価の調整は回避できる」との見方も示した。

東証内
東証内
Photographer: Tomohiro Ohsumi/Bloomberg

  きょうのドル・円相場はおおむね1ドル=111円前後で推移した。16日の海外市場の流れを受け継ぎ、朝方は1ドル=110円70銭台と前週末の日本株終値時点111円15銭からドル安・円高で推移する場面があったが、円高の勢いは限られた。

  また、16日の米国株はエネルギー株の堅調に支えられ、S&P500種株価指数が0.03%高とほぼ横ばい。投資家心理の落ち着きを示し、シカゴ・ボラティリティ指数(VIX)は10.38と8日以来の低水準となった。

  16日発表の米経済統計は、5月の住宅着工件数が年率換算で前月比5.5%減の109万戸と昨年9月以来、6月のミシガン大学消費者マインド指数(速報値)が昨年11月以来の低水準と弱い内容。同日の米10年債利回りは2.15%と1ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)下げた。東海東京調査センターの平川昇二チーフグローバルストラテジストは、「米長期金利が低下し、金余りの状態で株式市場にも資金は流れやすい」と言う。
  
  一方、取引開始前に発表された日本の5月貿易収支(速報)は、市場予想に反し4カ月ぶりの赤字。液化天然ガスや石炭など燃料価格の高騰で輸入が増え、輸出を上回った。ただ、野村証券投資情報部の小高貴久エクイティ・マーケット・ストラテジストは、「市場予想を下回ったが、輸出数量指数は堅調で日本株にはプラス」とみていた。輸出数量指数は7.5%増と4カ月連続の増加。

  東証1部33業種はその他製品、金属製品、サービス、繊維、電機、医薬品、建設、倉庫・運輸、機械、化学など26業種が上昇、海運や石油・石炭製品、保険、証券・商品先物取引、不動産、輸送用機器、ガラス・土石製品7業種は下落。不動産は、日本郵政が買収検討を中止した野村不動産ホールディングスの急落が響いた。売買代金上位では任天堂やソニー、KLab、東芝、ルネサスエレクトロニクス、コマツ、SUMCO、アイフルが高い。半面、チャーター船と米イージス艦の衝突事故を受け、日本郵船は安く、マツダや芦森工業、グリーも売られた。

  • 東証1部の売買高は14億8469万株、売買代金は1兆9868億円。代金は前週末から38%減り、5月30日以来の2兆円割れ
  • 上昇銘柄数は1414、下落は508
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