債券相場は下落。週内に2回の流動性供給入札を控えて超長期ゾーンが軟調に推移し、相場全体の重しとなった。この日は日本銀行の買い入れオペや国債入札など需給面の材料がなく、先物売買高は大幅に減少した。

  19日の長期国債先物市場で中心限月9月物は、前週末比2銭安の150円41銭で開始し、150円38銭まで下落。一時1銭高まで上昇したが、終了にかけて伸び悩み、結局は1銭安の150円42銭で引けた。9月物の日中売買高は8077億円と前週末から半減。ブルームバーグによると、中心限月ベースでは昨年12月以来の低水準となった。

  ドイツ証券の山下周チーフ金利ストラテジストは、「あすに15.5年超、22日には5-15.5年以下の流動性供給入札があるが、今月は長いゾーンの利付国債入札は終わっているし、残存10年超の日銀オペもあと2回ある。金利は上がりにくいだろう」と述べた。

  現物債市場で長期金利の指標となる新発10年物国債の347回債利回りは、日本相互証券が公表した前週末午後3時時点の参照値より0.5ベーシスポイント(bp)高い0.055%で開始し、その後も同水準で推移した。

  ドイツ証の山下氏は、「先週までに米連邦準備制度理事会(FRB)、欧州中央銀行(ECB)、日銀会合、国会論戦といった内外のイベントが一通り終わった結果がこの金利だ。ここから積極的に買いたい向きも少ない半面、金利上昇を待っていた投資家は買えなかった。中途半端な水準で、上下両方向に動きにくい」と指摘した。

  超長期債は軟調。新発20年物の161回債利回りは一時1bp高い0.57%、新発30年物の55回債利回りは1bp高い0.815%に上昇した。

  財務省は20日、残存期間15.5年超39年未満を対象とする流動性供給入札を実施する。発行額は5000億円程度。22日には5年超15.5年以下が対象の同入札を行う。発行額は5500億円程度となる。

  野村証券の中島武信クオンツ・アナリストは、「流動性供給入札に向けて超長期が調整する可能性がある。それがこれまで積み上げられた、超長期買い・債先売りの巻き戻しを誘発するなら、債先は超長期が売られる中でも、しっかりするだろう」とみていた。

内閣支持率急落  

両手で顔を覆う安倍首相
両手で顔を覆う安倍首相
Photographer: Tomohiro Ohsumi/Bloomberg

  安倍晋三内閣の支持率が、先週末実施の報道各社の世論調査で急落し、軒並み50%割れとなった。学校法人「加計学園」の獣医学部新設計画を巡る問題や、テロ等準備罪新設法(「共謀罪」法)の成立を巡る国会対応が影響しているとみられる。

  安倍政権は、日銀による大胆な金融緩和策、財政政策、成長政策の三本の矢による経済政策アベノミクスへの高評価などを背景に高い支持率を維持してきたが、安全保障関連法を巡り世論の賛否が割れた2015年秋以来の厳しい局面を迎えた。

  もっとも、債券相場への影響は限られた。みずほ証券の稲垣真太郎マーケットアナリストは、「きょうの債券市場ではまだ寄りついていない年限もある中で、どんな様子と言えるほどの取引もない状況だ。これだけ静かな国債市場が答えを出しているのではないか」と話した。

  ドイツ証の山下氏は「長い目で見た金利上昇のテールリスク」としながらも、「支持率が下がり続けるのか、一過性の現象にとどまるのか、水準の問題もある。今のところは動向を注視するにとどまる」と述べた。

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