6月第3週(19日-23日)の債券市場では長期金利の低下が予想されている。米国を中心に世界景気の先行き不透明感がくすぶる中、安全資産として国債に買い圧力が掛かりやすいことが背景にある。

  長期金利の指標となる新発10年物347回債利回りは、過去1週間で0.05%~0.06%のレンジで推移した。一方、13日実施の20年利付国債の入札が順調な結果となったことをきっかけに超長期債が堅調となり、超長期ゾーンの利回り曲線は前週末と比べてフラット(平たん)化した。

  パインブリッジ・インベストメンツ債券運用部の松川忠部長は、「原油価格が下落しており、世界的なインフレ期待が低下基調にある中で、基本的に再びイールドカーブはフラット化してくる」と予想。「日本の貿易収支で、中国景気鈍化の影響や米国向け自動車輸出の動向が示されるかに注目」と言う。

  19日に5月の貿易収支(速報)が発表される。ブルームバーグがまとめた市場予想(中央値)によると、433億円の黒字が見込まれている。4月は4811億円の黒字だった。

  海外では19日に中国で5月の新築住宅価格が発表されるほか、米国では21日に5月の中古住宅販売件数、23日には5月の新築住宅販売件数が発表される。

国内需給要因

  財務省は20、22日に流動性供給入札を実施する。投資家需要の強い既発国債を追加発行する入札で、対象銘柄は20日が残存期間15.5年超39年未満、22日は5年超15.5年以下。発行予定額はそれぞれ5000億円程度、5500億円程度となる。

過去の流動性供給入札の結果はこちらをご覧ください。

  一方、日本銀行の長期国債買い入れオペは、21日に残存期間「1年超5年以下」と「5年超10年以下」、23日に「1年超5年以下」と「10年超」がそれぞれ予定されている。

過去の日銀オペの結果はこちらをご覧ください。

  パインブリッジの松川氏は、「5年超10年以下の買い入れが月内にあと3回残っており、堅調推移が続く」と見込む。

市場関係者の見方

*T
◎岡三証券の鈴木誠債券シニアストラテジスト
*流れとして円安基調になる可能性があり、相場の上値を少し重くしそうだ
*米金融当局がバランスシート縮小の具体策を出しており、利上げ観測が続く中でもある
*長期金利の予想レンジは0.04~0.07%

◎JPモルガン・アセット・マネジメントの塚谷厳治債券運用部長
*国内で取引材料に乏しく、超長期ゾーンを中心とした円債の動きも海外要因に左右されるだろう
*米金融政策動向をどう織り込んでいくかだが、年内にもう1回の利上げあり、9月からバランスシートの縮小を始めるとみる
*長期金利の予想レンジはゼロ~0.08%

◎パインブリッジ・インベストメンツ債券運用部の松川忠部長
*日銀会合では長期国債買い入れの減額なく、早期出口に結びつく文言もなく、買い安心感につながった
*原油価格下落で世界的なインフレ期待が低下基調にある中、またカーブはフラット化してくる
*長期金利の予想レンジは0.02~0.06%
*T

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