日本株反発、米金利上昇と円安、日銀無風-金融や海運、通信広く買い

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  • 2週間ぶりに1ドル=111円台、2桁増益可能な水準と市場関係者
  • 売買代金3兆円乗せ、FTSE指数リバランスの影響も

16日の東京株式相場は反発。米国の金利上昇や堅調な経済指標を受け為替がドル高・円安で推移し、投資家心理が改善した。銀行や保険、証券など金融株、海運や情報・通信株など幅広く高い。欧州投資家が使う株価指数のリバランスの影響もあり、東証1部の売買代金は3兆円台と膨らんだ。

  TOPIXの終値は前日比7.95ポイント(0.5%)高の1596.04、日経平均株価は111円44銭(0.6%)高の1万9943円26銭。

  アセットマネジメントOneの武内邦信シニアフェローは、「FOMCが再投資のスケジュールを明らかにした上、米国のGDPは4ー6月期、7ー9月期へ向け上がっていくと予想される。米金利も今後は少しずつ上昇し、緩やかな円安傾向になるだろう」と予測。日本企業の4ー6月決算が悪くないと想定される中、「株式市場全体は下がりにくい」との見方を示した。

東証アローズ

Photographer: Tomohiro Ohsumi/Bloomberg

  15日の米国債は下落。英金融当局のタカ派的な姿勢を手掛かりにドイツ国債や英国債が下げ、これに連れ安した。10年債利回りは2.16%と4ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇。アジア時間16日の時間外でも、米金利はやや上昇した。

  きょうのドル・円相場は、2週間ぶりの水準となる1ドル=111円20銭台までドル高・円安に振れた。前日の日本株終値時点は109円61銭。15日のニューヨーク市場では、経済指標を受けドルが上昇。週間新規失業保険申請件数が市場予想を下回る一方、ニューヨーク連銀製造業景況指数は予想を上回った。

  SBI証券の藤本誠之シニアマーケットアナリストは、「米国の過去3回の利上げ時の連想からFOMC後は円高に進むとの懸念があったが、今回は円高に攻め切れず、日本企業が今期2桁増益が十分可能な111円水準まで戻ってきた」と言う。重要イベントを波乱なく通過しつつあり、「来週の日経平均は2万円を上回る上昇相場になりそう」ともみている。

  業種別では、金融セクターが終日堅調。「内需成長株は3月以降にやりつくした上、米テクノロジー株が崩れ、日本のテクノロジー株も買いにくい。金融株は出遅れているだけでなく、バリュエーションからみても下値は想定しづらい」と、アセットOneの武内氏は話していた。

  この日の前引け後には日本銀行が金融政策の現状維持を決めたことが市場に伝わり、無風通過を好感する買いで午後早々の日経平均は一時183円高の2万15円と、2万円を回復する場面があった。今後の焦点は、一部報道を受け注目が高まった出口戦略の議論に関し、黒田東彦総裁が会見で言及するかどうかだ。いちよし証券の大塚俊一投資情報部長は、「物価目標の2%を達成できてない中、あえて出口論に関する話が出るわけもない」とみている。

  東証1部33業種は海運、証券・商品先物取引、情報・通信、精密機器、パルプ・紙、倉庫・運輸、繊維、銀行、保険、機械など27業種が上昇。電気・ガスや水産・農林、小売など6業種は下落。売買代金上位では、野村証券クオンツチームの指摘を材料に東芝の東証2部降格時のパッシブ資金の流入期待が広がったセイコーエプソン、ゴールドマン・サックス証券が投資判断を上げた資生堂が高い。半面、売り出しによる需給悪化懸念が広がり、すかいらーくは安い。

  東証1部の売買代金は3兆1900億円と、前日から29%増加。この日は、グローバル投資家がベンチマークとして使うFTSE株価指数の銘柄入れ替えに伴うリバランスが引け段階で行われた。買いインパクトがあると市場でみられていたNTTは、売買代金2位で2.2%高。

  • 東証1部の売買高は22億8556万株、値上がり銘柄数は1237、値下がりは652
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