東京外国為替市場のドル・円相場は1ドル=109円台後半で推移。前日に発表のあった米連邦準備制度理事会(FRB)による追加利上げ決定や保有資産の縮小計画提示が支えとなっている。半面、米共和党議員への銃撃事件やトランプ大統領をめぐる司法妨害関連の報道で上値は重い。

  15日午後3時52分現在のドル・円は前日比0.1%高の109円67銭前後。朝方に付けた109円27銭を底値に水準を切り上げ、金融機関の仲値公表が集中する午前10時前後にかけては109円80銭まで上昇する場面があった。前日の米国市場ではFRBの金融政策発表の前に一時108円83銭と4月20日以来のドル安・円高水準を付けた。

  三菱UFJモルガン・スタンレー証券の植野大作チーフ為替ストラテジストは、「米連邦公開市場委員会(FOMC)を無難に通過した。米金融当局は不要なボラティリティーを引き起こさずにメッセージを伝えたことが一番良い」と話した。「予想通りの米利上げと資産購入縮小計画発表を受け、材料出尽くしで108円台まで下げたが時間は短かった」と指摘した。

  FOMCでは、フェデラルファンド(FF)金利誘導目標を1-1.25%のレンジに引き上げるすることを決定した。年内の利上げについては、あと1回との見通しを維持した。2018年の利上げは3回と、3月時点の予測から変わらなかった。今回は4兆5000億ドルの保有証券縮小計画について詳細を示した。

バランスシート縮小計画の詳細

  ソニーフィナンシャルホールディングスの石川久美子為替アナリストは、「引き締めのペースは引き続きゆっくりと市場も受け止めたようで、ドル高の進行をある程度抑制した。利上げの道筋自体にはそんなに影響なく、ドル・円も長い目で見れば堅調に推移することは変わらないが、この状態で積極的にドルを買うにはあまりにも長期金利が抑えられている」と語った。

  モラー特別検察官はトランプ大統領が司法妨害を行おうとしたか捜査している、と米紙ワシントン・ポストが匿名の当局者を引用して報じた。オーストラリア・ニュージーランド銀行(ANZ)の吉利重毅外国為替・コモディティー営業部長は、「報道でドル・円が売られたが、基本的には時間のかかる話。弾劾についても実際にはハードルが高く、あくまで短期的な反応にとどまりそう」とみていた。

  ポンド・ドルは同時刻現在、0.1%安の1ポンド=1.2745ドル前後。景気減速とインフレ懸念、政治混迷が強まる中、英中銀イングランド銀行(BOE)はこの日、金融政策決定を発表する。ブルームバーグ調査によると、現状維持が見込まれている。

  三菱モルガンの植野氏は「19日からのブレグジット(EU離脱)交渉が不透明な中で、物価上昇率が高くても、イングランド銀行は利上げを急がないだろう」とみる。「ユーロやポンドは対ドルでは高い面があり、いったん下げると思う。米国は利上げをゆっくり実施している一方、欧州中央銀行(ECB)は年明け以降にテーパリング、その後の利上げは来年秋から年末になりそう」と語った。

  ユーロ・ドル相場は同時刻現在、変わらずの1ユーロ=1.1218ドル前後。前日には一時1.1296ドルと、昨年11月9日以来のユーロ高・ドル安値を付けた。

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