ロシアによる米大統領選介入疑惑を捜査しているモラー特別検察官が範囲を拡大し、トランプ米大統領の行動も検証しようとしている動きに対し、大統領は怒りをあらわにした。ロシア疑惑を巡る調査はトランプ大統領を巻き込んで一段と緊張を高めている。

  同大統領は15日朝、「連中はロシアとの共謀話をでっち上げたが、裏付けはまったくなかった。そのいんちき話を基に今度は司法妨害をでっち上げようとしている。あっぱれだ」とツイッターに投稿した。さらに「アメリカの政治史上最大の魔女狩りが行われている。中心となっているのは非常にあくどい好戦的な連中だ!」とツイートした。

  トランプ大統領が今度はモラー氏解任を試みる可能性があるとの観測に対してホワイトハウス当局者は、鎮静化に躍起になっていたが、民主・共和両党の議員は15日、警戒感を示した。

  共和党のスーザン・コリンズ上院議員(メーン州)は記者団に対し、「(モラー氏を解任すれば)破滅的なミステークになるだろう。だがトランプ大統領にはその権限がない」と述べた。コリンズ議員によると、モラー特別検察官を任命したローゼンスタイン司法副長官は今週、モラー氏を解任できるのは自分だけであり、大統領にはできないと言明していた。

  上院情報特別委員会のリチャード・バー委員長(共和、ノースカロライナ州)は、「モラー氏を非常に信頼している」と述べた。バー委員長は前日、モラー氏と会談した。

  捜査に詳しい関係者3人が匿名を条件に明らかにしたところによると、モラー氏はコーツ国家情報長官とロジャーズ国家安全保障局(NSA)局長を聴取する計画だ。モラー氏は、連邦捜査局(FBI)にフリン前大統領補佐官の関連捜査を中止させるため、トランプ大統領が2人に支援を求めたかどうかについて聴く考えだ。

  モラー氏の捜査はこれまで、ロシアによる大統領選介入とトランプ氏側近による介入への共謀の可能性に絞られていた。しかし、同氏は捜査範囲を拡大、現在はトランプ大統領自身の行動についても検証も進めているとみられ、大統領が司法妨害を図ったかどうかもそれに含まれる可能性がある。

  コミー前FBI長官は1週間前の上院情報特別委員会での公聴会で、マイケル・フリン前大統領顧問への捜査を手控えるようトランプ大統領から圧力を受けたと証言した。

原題:Mueller Said to Examine Whether Trump Sought to Slow Flynn Probe(抜粋)
Mueller’s Expanding Inquiry Raises Stakes for Trump’s Presidency(抜粋)

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