15日の東京株式相場は続落。経済統計の低調や連邦公開市場委員会(FOMC)を受け米国の長期金利が低下、為替の円高推移も嫌気された。販売価格の下落懸念が強まったゴム製品のほか、輸送用機器など輸出株、鉄鋼や非鉄金属など素材株、銀行や保険など金融株が安い。

  半面、建設や小売、医薬品、陸運株など内需セクターは終日堅調に推移、株価指数の下げ圧力も限られた。

  TOPIXの終値は前日比3.68ポイント(0.2%)安の1588.09と続落、日経平均株価は51円70銭(0.3%)安の1万9831円82銭と4日続落。

  アムンディ・ジャパンの浜崎優市場経済調査部長は、「米国では物価上昇が鈍り、FRBが早めに資産圧縮を始めることで今後の利上げペースが延びれば、金利面からドルを買い切れない。材料不足の中では円高による影響が出やすい」と言う。ただ、日本株はバリュエーション面から割高になっておらず、「ここで売る理由もない。マーケットがこう着する中、外部環境からみて不利な業種から、そうではない業種へ消去法的に資金が流れている」とも話していた。

東証内
東証内
Photographer: Yuriko Nakao/Bloomberg

  きょうのドル・円は一時1ドル=109円20銭台と、前日の日本株終値時点110円3銭からドル安・円高水準に振れた。米国5月の消費者物価指数(CPI)と小売売上高が市場予想を下回り、14日の米10年債利回りは2.13%と9ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)低下した。

  大和証券投資戦略部の石黒英之シニアストラテジストは、過去に割安な日本株のバリュエーション修正が起こったのは米金利上昇・円安による業績期待が起こったときで、「米金利が低水準で推移すれば、日本株のPERは割安に放置されたままになりかねない。金融や輸出株は上がりにくい」との見方を示した。

  FOMCは13、14日に開いた定例会合で、フェデラルファンド(FF)金利の誘導目標を1ー1.25%のレンジに引き上げた。年内の利上げはあと1回との見通しを維持し、保有証券の縮小計画の詳細を示した。文書によると、金融当局はバランスシートを月間ベースでゆっくりと縮小していく。当初の縮小額は100億ドルに設定される。内訳は米国債が60億ドル、住宅ローン担保証券(MBS)が40億ドル。

  野村証券投資情報部の若生寿一エクイティ・マーケット・ストラテジストは、「FOMCでは数字を挙げてバランスシート縮小を示し、利上げと縮小を両立させたいとの意向を出してきた。粛々と中立化を進めている」とみる。また、状況次第で「縮小を先に行うことも可能とのオプションを出してきており、今回はいろいろなメッセージがある」としている。

  この日の日経平均は67円安で始まり、その後内需主導で79円高と上昇転換。再び下げに転じると、一時128円安と方向感を見いだしにくい1日だった。アムンディの浜崎氏は、「米小売売上高は悪かったが、単月の動きであり、4-6月では堅調。為替が1ドル=108円、107円と一方的に進む状況でもない」と指摘。日経平均は大きく下げるわけではないが、「上げ切れない中で値を消すという動きになり、夏場にかけ1万9000円を底にうろうろする」と予測した。

  東証1部33業種はゴム製品、鉄鋼、石油・石炭製品、保険、銀行、海運、証券・商品先物取引など21業種が下落。ゴム製品は、値下げと販促活動の拡大から利益見通しを下方修正した米グッドイヤー・タイヤ・アンド・ラバーの連想も響いた。その他製品や建設、小売、医薬品、陸運など12業種は上昇。売買代金上位では、株式売り出し価格の決定後も需給悪化が続くルネサスエレクトロニクスのほか、モルガン・スタンレーMUFG証券が投資判断を下げたTDK、みずほ証券が判断を下げた東京海上ホールディングスは安い。半面、任天堂は大幅高で52週高値を更新、小野薬品工業や平田機工、セイコーエプソン、ユニー・ファミリーマートホールディングスも高い。

  • 東証1部の売買高は18億8192万株、売買代金は2兆4776億円
  • 値上がり銘柄数は817、値下がりは1063
(文末のみずほ証券の格下げ情報を訂正.)
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