米連邦公開市場委員会(FOMC)は13、14 両日に定例会合を開き、フェデラルファンド(FF)金利誘導目標を1-1.25%のレンジに引き上げた。年内の利上げについては、あと1回との見通しを維持。さらに4兆5000億ドルの保有証券縮小計画について詳細を示した。

  米連邦準備制度理事会(FRB)のイエレン議長は声明発表後の記者会見で、保有証券の縮小について、経済が当局の想定通りに進展するなら、「比較的早期」の実行もあり得るとの認識を明らかにした。

  FOMC声明は「経済見通しへの短期的なリスクはおおよそ均衡しているように見受けられるが、委員会はインフレの動向を注視している」と記述。「委員会は現在、経済がおおむね予想通りに進展するとの想定で、バランスシート正常化プログラムの年内開始を見込んでいる」と表明した。

  金融政策決定当局者が示した予測は2018年の利上げも3回となっており、3月の前回予測から変わらなかった。

  声明は「前年比ベースでのインフレ率は短期的に2%をやや下回る水準にとどまると予想されるが、中期的には委員会の目標である2%程度で安定すると見込んでいる」とした。

  前回の声明ではインフレ率は目標に近いと表現していた。

  14日朝に発表された5月の消費者物価指数(CPI)で食品とエネルギーを除くコアCPIは1.7%上昇と、4カ月連続で伸びが鈍化した。

  PNCファイナンシャル・サービシズ・グループ(ピッツバーグ)のシニア経済アドバイザー、スチュアート・ホフマン氏は「当局は追加利上げを急いでいない。インフレ率は目標から遠ざかり一歩引いた状態だ。追加利上げは10月以降まで待たざるを得なくなるだろう」と指摘した。

  FOMCが同時に発表した付属文書によると、金融当局はバランスシートを月間ベースでゆっくりと縮小していく。当初の縮小額は100億ドルに設定される。内訳は米国債が60億ドル、住宅ローン担保証券(MBS)が40億ドル。

  縮小額の上限は米国債が300億ドル、MBSが200億ドルに達するまで、3カ月ごとに米国債を60億ドル、MBSを40億ドルずつ引き上げていく。

  ただ、当局は縮小プロセスの具体的な開始時期に言及せず、最終的な保有資産の規模にも触れなかった。

  今回の金融政策決定に対し、8人のメンバーが賛成したが、ミネアポリス連銀のカシュカリ総裁は FF金利誘導目標レンジの現行水準維持を主張して、反対票を投じた。

  当局者が示した2018年と19年の予測は前回からほとんど変わらなかった。予測の中央値によれば、18年は0.25ポイントの利上げ3回を想定。19年末のFF金利は2.9%と、3月予測の3%からわずかに低下した。

  今回の予測はFOMCの顔ぶれが変わったことが反映されている可能性がある。前回の会合以降、タルーロFRB理事とリッチモンド連銀のラッカー総裁が去った一方、アトランタ連銀総裁としてラファエル・ボスティック氏が加わった。

  FRB理事が来年大きく変わるため、2018年と19年の金利予測は将来の政策を占う上で信頼性が低下している。

  ここ数週間、失業率とインフレ指標は相反するシグナルを送っている。5月の失業率は4.3%と、16年ぶりの低水準に低下。一方、FOMCがインフレ指標として注目している米個人消費支出(PCE)価格指数のコア指数は4月に前年比1.5%上昇と、1.8%上昇していた2月から伸びが鈍化している。
 
  FOMCがインフレ目標の基準とするPCE価格指数は4月に1.7%上昇と、3月の1.9%上昇から0.2ポイント低下、目標の2%を0.3ポイント下回っている。

  長期の失業率予想の中央値は4.6%と、前回の4.7%から低下。加えて、17年のインフレ見通しが引き下げられたため、特にインフレ指標が引き続き軟調に推移すれば、今後数カ月以内に追加利上げを急ぐ必要性は薄れる。

  FOMC声明は「雇用の伸びは減速したものの、年初以降ならしてみると堅調で、失業率は低下した」と記述している。

  経済成長率見通しは前回からほぼ変わらず。17年の予想中央値は2.2%増(前回は2.1%増)。

  次回のFOMC会合は6週間後の7月25-26日。ブルームバーグがエコノミスト43人を対象に6月5日から8日に実施した調査によると、予想中央値は6月と9月の利上げを示唆。第4四半期中のバランスシート縮小開始が予想されている。

原題:Fed Forges on With Hike, Asset Plan Amid Inflation Concern (2)(抜粋)

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