トヨタ:M&A含めあらゆる選択肢検討-徹底的に競争力磨く年に

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豊田章男社長

Bloomberg News

電気自動車(EV)や自動運転技術の開発が加速する中、トヨタ自動車の豊田章男社長は株主総会で、自動車業界が大きな転換点にあると指摘し、人材を育成して競争力を向上させていく考えを強調した。

  トヨタは14日に本社で株主総会を開催。豊田社長は「少し守りにシフトし過ぎていたかもしれない」と述べ、「遠い未来と思ったことが明日起こるかもしれない」と語り、攻めと守りが同時に必要との考えを示した。その上で、「徹底的に競争力を磨く年にしたい」と話し、「M&A(企業の合併・買収)を含め、あらゆる選択肢を検討しいないといけない」と強調した。

  競争環境が変わろうとする中、豊田社長は「競争力の強化、人材育成力こそが勝敗を分ける」との考えを示した。競争では相手も増え、EVメーカーの米テスラや、中国メーカー、自動運転車の開発を進める米グーグル、アップル、アマゾンなど新しいライバルが登場しているという。「どの業態が未来のモビリティを生み出すのか分からない」と語りながらも、「次のモビリティーを生み出すのはもっといい世の中をつくりたいという情熱」で、その気持ちで「トヨタは誰にも負けない」と強調した。

  豊田社長は、1000万台という規模を超えたときの「ペースメーカーは台数ではない」と述べ、EVメーカーや情報技術(IT)関連企業など新興勢力も台頭する中、「競争のルールが変わろうとしている」と指摘した。

  トヨタは今期(2018年3月期)業績が2期連続で大幅減益の見通しを示している。永田理副社長は総会で、連続減益予想について「このままではいけないと考えている」と述べ、「最大限の挽回努力をする」と語った。北米市場では、自動車設計手法を改革する「TNGA」を採用した主力セダンの「カムリ」の販売拡大に注力するほか、SUVやピックアップトラックの生産増強に取り組むという。研究開発や新事業などについては「もっと賢いお金の使い方をする」と話した。

  加藤光久取締役は、自動車分野に引き続き注力していくが、「自動車以外にも少し種をまく必要がある」と述べ、「海や空、そういったものも研究する必要があるのではないか」との考えを示した。コネクティッドカンパニーの責任者である友山茂樹専務は「異業種とある部分では競争し、ある部分では協調していかないといけない」と語り、「ビジネスの可能性は大変大きなものになっている」と話した。

  今年の株主総会は昨年と同程度の所要時間で、2時間弱で終了し、会社側提案の議案を全て了承した。出席株主数は過去最高の5227人となった。トヨタ株は前日比0.3%安の5859円で取引を終え、年初来では15%安だった。

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