米議決権行使助言会社のインスティテューショナル・シェアホルダー・サービシーズ(ISS)が川崎汽船の6月23日に予定されている株主総会で、朝倉次郎会長と村上英三社長の取締役選任議案への反対を推奨するリポートを発表した。

  ISSは9人の取締役候補のうち2人の選任に反対を推奨。その他の取締役の選任には賛成を推奨している。過去5期の平均の株主資本利益率(ROE)が5%を下回り、改善が期待できない場合には、取締役選任議案に反対推奨する方針を掲げている。ISSによると、川崎船の過去5期のROEの平均は-9.3%。

  この提言に対し、川崎船はウェブサイト上で、ROEが低迷しているのはドライバルク事業の構造改革やコンテナ船の事業統合など将来的な業績の改善に向けて取り組んだ構造改革の結果だと反論。両氏が引き続き経営を担うことが必要と主張した。

  ISSは昨年の株主総会でも両氏の選任議案への反対を推奨。前年は筆頭株主の投資ファンド、エフィッシモ・キャピタル・マネージメントが村上社長の再任議案に反対票を投じたために賛成比率が56.88%と低く、今年の動向が注目されている。

  金融庁は3年前に策定された機関投資家の行動原則を示すスチュワードシップ・コードを5月に改訂した。機関投資家は、各投資先企業に対する議決権行使の結果を原則的に公開するよう求められている。

  SMBC日興証券の伊藤桂一チーフクオンツアナリストは、金融庁は議決権行使基準の明確化に積極的なため、年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)も、各運用受託機関に個別の議決権行使の結果公表を要請することになり、「投資対象企業へのプレッシャーは相当強くなる」と指摘した。

  GPIFは川崎船株の6.7%を保有しており、エフィッシモに次ぐ第2位株主。2期連続の赤字と業績が不振なため、伊藤氏は株主総会では取締役選任議案に対する機関投資家の賛成比率は相当な低水準になると見ている。

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