イングランド銀行(英中央銀行)のカーニー総裁は一息つくこともできない。

  英経済は1-3月期の急減速にもかかわらず、インフレ率は予想以上に加速し、4年ぶり高水準に達した。これに加え、総選挙で与党は過半数割れし、欧州連合(EU)離脱を巡る不透明感は増している。

  米連邦公開市場委員会(FOMC)は今年2回目の利上げに向かい、欧州中央銀行(ECB)は金利に関するフォワードガイダンスを先週変更、必要に応じて一段の利下げを辞さないことを示唆する文言を削除した。これに対し、カーニー英中銀総裁はインフレ懸念を払拭(ふっしょく)しつつ経済を安定させなければならない。

  ランドール・クロズナー元米連邦準備制度理事会(FRB)理事はブルームバーグテレビジョンのインタビューで、「イングランド銀行は米金融当局よりもずっと大きな難題を抱えている。経済が減速しているのにインフレが高進しているからだ」と指摘。「中銀が対応するには本当に厳しい組み合わせだ」と語った。

  英経済は旺盛な個人消費に支えられてきたが、ここにきて実質所得が減少し消費意欲に水を差している。14日に発表される雇用統計では、2-4月の名目賃金の伸びが2%に減速すると見込まれる。これに対し、5月の消費者物価指数 (CPI)は前年同月比2.9%上昇。英中銀のインフレ率目標は2%だ。

  同中銀の金融政策委員会(MPC)は今月の会合結果を15日発表する。ブルームバーグ調査によると、政策金利や資産購入規模に変更があると予想するエコノミストは皆無。金融市場が織り込む18年末までの利上げ確率は40%前後。今年は一時、確率が80%まで高まっていた。

原題:U.K. Politics, Inflation Shocks Mean Rockier Path for Carney(抜粋)

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