将来有望な日本企業の海外進出を支援する官民ファンドのクールジャパン機構(海外需要開拓支援機構)は、米ベンチャーキャピタル(VC)傘下のファンドに最大1000万ドル(約11億円)を出資する。同機構による海外ベンチャーファンドへの出資は初めて。

  資料によると、クールジャパン機構が出資するのは米VC、500Startups(スタートアップス)の日本部門が運営する総額3500万ドルのファンド。1社当たりの当初出資額は最大2000万円程度とする。同機構の標準的な投資額(数億円~数十億円)に満たない投資先企業にもファンド経由で支援対象を広げる。

  500スタートアップス社は、創業間もないベンチャー企業に初期出資。軌道に乗れば追加投資して成長を後押しする。さらに出資規模の大きな投資家を探す人材育成などのノウハウも持つ。ジャパンベンチャーリサーチによると、日本の未公開ベンチャーの2016年の資金調達総額は2099億円と06年以降で最大となった。

  ただ、国際的に見ると、日本のベンチャー企業向け資金供給は、他の主要国・地域に比べ遅れを取っている。KPMGによれば、中国での16年のベンチャー向け供給額は310億ドル(約3兆4000億円)と3年前の約10倍に急拡大している。米国の規模は7-8兆円で日本はその数十分の1にすぎない。

  クールジャパン機構は政府が586億円を出資、このほか電通みずほ銀行、三井住友銀行など民間23社が計107億円を拠出している。これまでに、日本のアニメグッズなどの海外向けネット通販会社「東京オタクモード」など22件の投資実績がある。

  同機構の小川剛シニアディレクターは、「海外進出支援という観点から、米国の一流VCで日本に拠点があり、創業すぐの企業に積極的に投資しているところと言えばここしかないと思った」と出資理由を説明する。

  同VC日本代表のジェームズ・ライニー氏は、「日本はVCにとって未開拓のブルーオーシャン。東大卒のエリートが大企業に入らずに起業する例も目に付くようになってきており、業容拡大には絶好のタイミングだ」と述べた。

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