昨年の大統領選を前にした米選挙システムに対するロシアのサイバー攻撃は、これまで公表されたよりもはるかに大規模だったことが明らかになった。有権者名簿からソフトウエアシステムに至るまで不正侵入があり、被害は従来報告されていた約2倍の州に及んだ。

  米当局の調査を直接知る関係者3人が2016年夏と秋に発生したサイバー攻撃の詳細を提供した。これによると、イリノイ州ではハッカーが有権者データの削除や改ざんを試みた痕跡を調査担当者が確認。ハッカーは投票当日に選挙係員が使用する目的で設計されたソフトウエアにアクセスした。また少なくとも1つの州では、選挙活動資金のデータベースに不正侵入があった。

  関係者の1人はロシアのハッカーにより被害を受けた州が合計で39に上ると述べた。

  攻撃の規模と高度に洗練された手法を懸念したオバマ政権は、米ロ間の緊急連絡用直通ホットライン(通称レッドフォン)で、ロシア政府に直接苦情を訴えるという前例のない措置に踏み切った。関係者の2人によると、この経路でロシア大統領府と連絡を取った米ホワイトハウスは昨年10月、選挙介入の動きにロシアが関与したとされる資料を突きつけ、ハッカーは2国間の広範な衝突を招くリスクを冒していると警告した。

  これに対してロシアは一層の情報提供を求めると同時に調査を約束したが、ハッキングは続いたと、この対応を知る関係者2人は述べた。公にはロシア政府関係者は米選挙に絡むサイバー攻撃にいかなる関与もしていないとしている。

  多くの州ではロシアのハッカーがどの程度まで侵入したのか依然明らかになっていない。米連邦捜査局(FBI)の報道担当者は同局が進めているハッキング調査について、コメントを控えた。

原題:Russian Breach of 39 States Threatens Future U.S. Elections(抜粋)

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