米連邦準備制度理事会(FRB)のイエレン議長はバランスシートを縮小する道に進む準備を整えているが、行き着く先はよく分かっていない。来年、新議長が就任し、当局が保有する大量の債券の縮小でより野心的なアプローチを選ぶ場合、投資家には不安要因になりそうだ。

  金融当局者らは4兆5000億ドル(約495兆円)のバランスシートの縮小に向けた複数年にわたる活動を2017年中に開始する方針を示している。ただ、複数の当局者は、どこまで縮小するかの判断を、実際に始めた後まで先送りする考えを示唆している。

  パウエルFRB理事は6月1日にニューヨークのエコノミッククラブで、「当局は長期的な枠組みについては結論を出していない。正常化プロセスを始めるまでは判断を下すつもりはない」と述べている。

  これは小さな問題ではない。今後数年に米金融当局が放出する債券を吸収しなければならない市場にとっては、1兆ドルか2兆ドルかという分かれ目になると、JPモルガン・チェースの米国担当チーフエコノミスト、マイケル・フェロリ氏は指摘する。

  バランスシートに2兆5000億ドルの米国債と1兆8000億ドルの住宅ローン担保証券(MBS)を保有する米当局は今月13、14両日の連邦公開市場委員会(FOMC)で、保有証券縮小に向けた戦略を議論する。FOMCはまた、今年2回目の利上げを決めると広く予想されている。

  バランスシートの最終的な規模は、当局がどのように金融政策を選択していくかという問題と深く関係する。このため、来年2月3日のイエレン議長の任期切れ後に誰がFRBを率いることになるかに左右される。

  トランプ大統領はまだ手の内を明らかにしていないが、イエレン議長の任期切れの数カ月前には誰かを指名し、上院に指名について検討する時間を与える必要がある。トランプ大統領はイエレン議長の続投の可能性を排除していない。

  次期FRB議長候補の可能性があるとされるスタンフォード大学のジョン・テーラー教授は当局のバランスシートが、正常化完了後に「2兆ドルを幾分上回る水準」になる可能性を示している。これはニューヨーク連銀が4月に実施したプライマリーディーラー調査で25年末時点での水準として予想された3兆1000億ドルを下回る。

原題:Fed to Leave $1 Trillion Question Unanswered in Big Bond Unwind(抜粋)

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