インド西部のハジラに建設会社のラーセン・アンド・トゥブロ(L&T)が2012年に開設した工場は、原子力発電所向けの部品を製造している。電力不足に対応し原発の増設を目指す政府の計画から恩恵を得る狙いだったが、現在の稼働率は20%程度だ。

  だが近く状況が変わるかもしれない。インドのモディ首相とロシアのプーチン大統領は6月1日、インド最大の原発拡張に向けた協力で合意。5月半ばにはモディ内閣がインド製の原子炉を10基増やす計画を承認した。

  炭素排出量で世界3位のインドでは、石炭火力発電所への依存を減らす手段として原発を捉えている。インドの電力供給の60%近くを石炭火力発電が占めるのに対し、原発は今のところ2%に満たない。

  トランプ米大統領が地球温暖化対策の国際的枠組みである「パリ協定」からの離脱を表明した今、モディ首相は気候変動との闘いを自ら主導したい考えだ。トランプ大統領は離脱の方針を1日に発表した際、パリ協定が中国とインドに有利に働くと主張。モディ首相はその数日後のフランス公式訪問で「将来の世代」のために他国と協力し共に歩んでいくと述べ、パリ協定へのコミットメントを宣言した。

  「米国第一」をうたうトランプ大統領と同様、モディ首相も国内の製造業強化を約束して政権に就いた。自ら展開する「メーク・イン・インディア」キャンペーン推進のために原子力を活用していきたい意向だ。

  インドの原子炉は現在22基。そのほとんどがインド原子力発電公社(NPCIL)が設計し、L&Tなどの企業が製造したものだ。インド原子力庁のバス長官は「われわれの原子力戦略の中核は国内で設計した原子炉だ。外国製の原子炉は補完的なものにすぎない」と話している。

原題:India’s Answer to Trump on Climate Is Nuclear Power(抜粋)

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