ウォール街での米国債10年物利回りの年末時点の加重平均見通しは2.7%と、2カ月前の水準から約20ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)引き下げられたことが、先週発表されたブルームバーグの調査で示された。この結果、コンセンサス予想は1月に付けた年初来の低水準に戻った。

  13、14両日に連邦公開市場委員会(FOMC)を開く米金融当局は、この半年間で3回目となる引き締めを決める見込みだが、同調査の予想中央値は3カ月連続の下方修正となった。前週末の10年債利回りは2.2%で取引を終えた。

  米国債相場を巡る楽観的予想の理由は数多い。まず、6月の利上げの後、金融当局が少なくとも12月まで次の引き上げを待つと、主に投機家で構成されるファストマネーが見込んでいることが指摘される。さらに、当局が年内にバランスシート縮小に着手する場合でも、トレーダーの予想よりずっと緩やかなペースで進めると示唆している点が挙げられる。

  米国内政治の問題もある。コミー前連邦捜査局(FBI)長官による8日の議会証言は、財政政策面の課題を推進しようとするトランプ政権にとって、先行きの集中力をそらしかねない新たな要素として加わった。トレーダーのインフレ期待が昨年11月以来の低水準近辺に落ち込んだ一因でもある。

  ソシエテ・ジェネラルの米国担当チーフエコノミスト、スティーブン・ギャラハー氏は「市場は3月時点で、先行き2%を上回るようなインフレをかなり織り込んでいたが、今ではそうするのが難しくなっている」とコメント。「世界的に物価上昇がわずかで利回りが低い状況では、米国債は極めて魅力的な商品となる」と語った。

  このような背景の下で、多額の資金が米国債市場に流入しているのはそれほど意外ではない。事情に詳しい関係者によれば、中国は今年に入って米国債の購入を再開し、人民元相場が安定して適当な状況なら、買い入れを増やす用意があるという。

  米パシフィック・インベストメント・マネジメント(PIMCO)のグループ最高投資責任者(CIO)ダニエル・アイバシン氏と、ジャナス・ヘンダーソン・グループのビル・グロース氏は先週それぞれ、先進国の債券市場で米国債が最も魅力的な投資対象の一つであるとの考えを示した。

原題:Wall Street Again Slashes 2017 Yield Forecasts Ahead of Fed Hike(抜粋)

最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中 LEARN MORE