12日の東京株式相場は反落。米国でアップルなどテクノロジー関連株に悪材料が重なった影響を受け、半導体や電子部品といった電機株、精密機器株が下げた。情報・通信株も売られ、国内機械受注の悪化から機械株も安い。

  半面、食料品や建設株など内需セクターの一角は堅調で、米金利の下げ止まり期待や米金融株高をきっかけに保険株も上昇。国際原油市況の上昇を受けた石油株も高く、相場全般の下方圧力は限られた。

  日経平均株価の終値は前週末比104円68銭(0.5%)安の1万9908円58銭、TOPIXは0.11ポイント(0.01%)安の1591.55。

  三井住友アセットマネジメントの金本直樹シニアファンドマネージャーは、「5月の雇用統計を受け米金利は簡単には上がらないと市場が判断したあたりから、ステーブルグロースとしての『FANG』銘柄の上昇が目立ち始めた。買われ過ぎ銘柄と売られ過ぎ銘柄とのギャップがあまりに開き過ぎ、先週末の米国株ではその調整が入った」と言う。ただし、そうした動きは一時的な調整の可能性が高く、「景気のファンダメンタルズ自体は悪いわけではなく、株式市場からマネーが逃げるわけではない」との見方も示した。

東証内
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Photographer: Tomohiro Ohsumi/Bloomberg

  米アップルの関係者によると、スマートフォン市場で大きな目玉となっている高速データ通信機能について、ことし発売見通しの最新「iPhone(アイフォーン)」では当面実現できない可能性がある。また、ゴールドマン・サックス・グループはリポートで、フェイスブックとアマゾン・ドット・コム、アップル、マイクロソフト、アルファベット傘下のグーグルなどのボラティリティの低さは投資家による各社のリスク判断の過小評価につながり、状況が変化した際の下押しリスクを高めている可能性がある、と分析した。

  9日の取引でアップル株は3.9%安、エヌビディアの急落も響き、半導体関連銘柄の指標であるフィラデルフィア半導体株指数(SOX)は4.2%安と大幅安。米ダウ工業株30種平均は上昇したものの、テクノロジー株の比重が高いナスダック総合指数は1.8%安だった。週明けの日本株は、こうした米国株の影響から電子部品株のほか、半導体関連銘柄が下げた。丸三証券の牛尾貴投資情報部長は、「半導体市場の拡大トレンドは変わらないだろうが、株価が一本調子で上げてきたことで売りを誘いやすい」と指摘した。このほか、内閣府が取引開始前に発表した日本の4月の機械受注は前月比3.1%減となった。市場予想は0.5%増。

  一方、9日の米国株はS&P500種の業種別11指数で情報技術や一般消費財が売られた半面、エネルギーや金融、素材セクターは上昇した。英総選挙や欧州中央銀行(ECB)政策会合などリスクイベントを通過、米国債への逃避需要は一時に比べ後退している。同日の米10年債利回りは2.2%と前日比1ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇。また、ニューヨーク原油先物は0.4%高の1バレル=45.83ドルと上昇。アジア時間12日の時間外取引でも、原油は高い。

  東海東京調査センターの平川昇二チーフグローバルストラテジストは、「米国ではこの6カ月間にテクノロジーや一般消費財などグロース系銘柄が買い上げられる一方、金融やエネルギーなどはショートの矛先だった」と指摘。需給面では、そうしたロング・ショートが閉じられる動きがあり、米国で投資対象がグロースから金融や素材などバリュー株にシフトした流れは日本株市場でも起こりやすい、と話していた。この日の日本株市場では、業種別で情報・通信株が安くなった半面、鉄鋼やパルプ・紙株などは高かった。

  東証1部33業種はその他製品や電機、情報・通信、精密機器、非鉄金属、金属製品など12業種が下落。保険や石油・石炭製品、建設、食料品、パルプ・紙、鉄鋼、海運など21業種は上昇。保険は、米大統領選後の急激な株価上昇は長期金利上昇に対する過度な期待を織り込んでいたと考えてきたが、最近の株価調整で過度な期待は消滅したとUBS証券が分析した。売買代金上位では東芝やJT、積水ハウスが高い。これに対し任天堂、ソフトバンクグループ、東京エレクトロン、キーエンス、村田製作所、ディスコ、アルプス電気は安い。

  • 東証1部の売買高は17億8576万株、売買代金は2兆3132億円
  • 値上がり銘柄数は896、値下がりは980
  • 東証1部33業種は需給面の巻き戻し影響も
    東証1部33業種は需給面の巻き戻し影響も
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