メイ英首相は総選挙での保守党の過半数割れの責任を問う同党議員との対立に備え、欧州連合(EU)離脱派の重要人物を閣僚などに起用した。

  メイ首相は昨年の党首選で争い、首相就任後に司法相を解任したマイケル・ゴーブ氏を環境・食料・農村相に指名。また離脱派として党首選に出馬したアンドレア・レッドソム環境・食料・農村相を下院院内総務に起用した。

マイケル・ゴーブ氏
マイケル・ゴーブ氏
Photographer: Jason Alden/Bloomberg

  総選挙での保守党の過半数割れでメイ首相の当初のもくろみは崩れた。選挙前に予定していた抜本的な内閣改造には踏み切れず、閣僚の多くが留任となった。ただ、盟友のダミアン・グリーン前雇用・年金相を首相に次ぐナンバー2の筆頭国務相に起用した。

  メイ首相は12日、保守党の党首選を組織する通称1922年委員会で演説する予定。これはメイ首相の留任に向けた第一関門になる。また13日には協力を得ようとしている北アイルランドの保守政党、民主統一党(DUP)のフォスター党首とロンドンで会談する。

  メイ首相は11日、2022年の総選挙まで首相を続ける意向かと問われ、自分の時間は限られていると認めるような発言をした。首相は同日夜、官邸でスカイとのインタビューに応じ、「選挙戦の最中は、続投になれば任期を最後まで務めるつもりだと言っていた。しかし、私が現在しているのは、当面の仕事をこなしていくことだ。これが重要だと私は考える」と述べた。

  10日から11日にかけて、ジョンソン外相が首相の座を目指すと複数のメディアが報じたことを受け、同外相は11日のスカイとのインタビューで、「メイ首相が先に進み、政権を樹立し、国民の優先課題を実行すべきだということは全く正しい」と発言。「私はメイ首相を支援するつもりだし、私が話をする人も全員首相を支援するだろう」と語った。

  フォックス国際貿易相はスカイとのインタビューで、メイ首相は11日に会った時、「前向き」だったとした上で、同首相が近く始まる予定の2年にわたる英国の欧州連合(EU)離脱交渉をやり遂げられるよう支持すると述べた。また「保守党全体が首相支持で結集すべき時だ。私はメイ首相を完全に信頼しており、英国を前進させるのに最適な人物だと考える」と語った。

「デッドウーマン・ウォーキング」

  一方、メイ首相から財務相を解任され、現在は英紙イブニング・スタンダード編集長のジョージ・オズボーン氏はBBCテレビとのインタビューで、「メイ氏は『デッドウーマン・ウォーキング』だ」と、死刑囚を扱った映画「デッドマン・ウォーキング」にちなんで発言。「死刑囚監房にどのぐらいの間とどまれるかという問題だ」と指摘した。

  下院選で議席を大きく伸ばした野党・労働党のコービン党首はBBCとのインタビューで、自分は代替政府プログラムを提出し、議員らにメイ首相のプログラムではなく自分のプログラムに投票するよう求めると言明。「年内ないし来年の早い時期の選挙は十分あり得る。非常に不安定な時期を続けることはできないため、選挙は良いことだろう。われわれはプログラムを持ち、支持されており、再度の選挙戦を争う用意がある」と語った。

原題:Weakened May Forced to Give Rivals Jobs in Bid to Cling On (1)(抜粋)

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