東芝のメモリー事業売却を巡り、合弁相手である米ウエスタンデジタル(WD)のスティーブ・ミリガン最高経営責任者(CEO)が9日午後、東芝の綱川智社長と本社で会談。産業革新機構などの日米連合に合流するとともに、出資比率などで譲歩する新たな買収案を示したことが分かった。

  事情に詳しい関係者によると、ミリガンCEOは米投資ファンド、革新機構、日本政策投資銀行、WDの4社連合としての買収案を提示。この中で①WDの出資は転換社債とする②従来案より買収価格を引き上げる③買収資金は来年3月までに払い込むーーなどの案を伝えた。経営権の取得は断念したもようだ。

東芝本社
東芝本社
Photographer: Tomohiro Ohsumi/Bloomberg

  これまでWDは同社の同意なしでメモリー事業を第三者に売却することは合弁契約に違反するとして国際仲裁裁判所に仲裁を申し立て、東芝は対応措置に出るなど対立が先鋭化していた。従来の買収提案でWDは経営権の取得を目指す一方、買収金額は米ブロードコムなど他の応札者に比べて低い1兆5000億円を提示。ファンドや革新機構の連合は1兆8000億円を示していた。

  一方、東芝幹部は9日夜、WDとの交渉について、WDは各国の独占禁止法の審査が通りやすくなるような譲歩案を示したものの、大きな進展はないとの認識を示した。

  債務超過を解消するため4月に分社した東芝メモリの売却では2次入札で、米投資ファンドのKKR、米半導体のブロードコムが有力候補に浮上。他に台湾の鴻海精密工業、米ファンドのベインキャピタルの4陣営が応札した。革新機構や政投銀がKKRと組むことなどを模索していたが、WDとの対立が障害になっていた。

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