6月第2週(12日-16日)の債券市場では長期金利が上昇する展開が予想されている。日米の金融政策決定会合や20年債入札が実施される予定となっており、積極的に買い進む動きが見込みにくいことが背景にある。

  長期金利の指標となる新発10年物347回債利回りは8日、これまでの0.05%付近から一時0.075%と3月17日以来の水準まで上昇した。日銀の出口戦略を巡る議論について、時期尚早から説明重視に姿勢を改め、市場との対話を重視する方向に修正しつつある、との報道をきっかけに売りが優勢となったためだ。その後は買い戻されて、9日は0.05%まで戻した。

  岡三証券の鈴木誠債券シニアストラテジストは、「米利上げを確認してからという理由で様子見姿勢が続きそうだが、利回り上昇局面があれば今度こそ買おうと思っている人もいるのではないか」と指摘。「10年が0.1%を下回っている状況では20年に魅力を感じる人は多いはず。外国人も含めて最も幅広い投資家から需要を集めているゾーン」としながらも、「10-20年スプレッドが0.5%を割れると、さすがにしんどいことも分かった。上値を買う人はいない」とみる。

  財務省は13日に20年利付国債の入札を実施する。発行予定額は前回と同じ1兆円程度となる。償還日が3カ月延びるため新しい回号となる。

  日銀の長期国債買い入れオペは、14日に残存期間「5年超10年以下」と「10年超」、15日には「1年超5年以下」が予定されている。

  米国では13日から連邦公開市場委員会(FOMC)が2日間の日程で開かれる。日銀の金融政策決定会合は15、16日に予定されている。

  しんきん証券債券営業部の高井行夫金融市場アナリストは、「FOMCについては市場は完全に利上げを織り込んでおり、イエレン米連邦準備制度理事会(FRB)議長の会見や声明内容が注目だが、これまで通りの見解が示される見通しで相場に影響はない」とみる。一方、「日銀の政策に対する不安感が出てきており、どちらかというと国内要因で上値を追いにくい」と言う。

市場関係者の見方

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◎岡三証券の鈴木誠債券シニアストラテジスト
*中期はほぼ適正水準まで利回りが上昇したので5年入札も順調に消化され、ここからどんどん上昇することはない
*オペに対してやや警戒的に見ていくだろうが、長いところも投資家の押し目買いで落ち着くのであれば、日銀がバタバタ動く必要はない
*長期金利の予想レンジは0.03~0.07%

◎しんきん証券債券営業部の高井行夫金融市場アナリスト
*FOMCは無風通過で外部環境的にはしっかり
*日銀、短いところの金利を高止まりして放置しているような状態で10年は動きづらい
*長期金利の予想レンジは0.03~0.07%

◎三井住友アセットマネジメントの深代潤グローバル戦略運用グループヘッド
*円債市場は相変わらず、国債買い入れオペなど国内材料で動いている
*日銀が何かすぐに手を打たなくてはならない状況ではないが相場はすぐに戻りにくい、下値はそれほどないが、上値もやや重くなるとみている
*長期金利の予想レンジは0.05~0.08%
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