9日の東京外国為替市場ではポンドが全面安。英総選挙で与党保守党が過半数を割れる見通しとなり、国内政治の混乱やそれによる欧州連合(EU)離脱交渉への影響に対する懸念が強まった。対円では4月以来の安値を付けた。

英労働党のコービン党首
英労働党のコービン党首
Photographer: Chris Ratcliffe/Bloomberg

  ポンドは午後4時4分現在、対ドルで前日比2.2%安の1ポンド=1.2676ドル。早朝に公表された出口調査で与党劣勢の見通しが示されると1.29ドル台半ばから1.2700ドル付近まで急落。保守党の過半数割れが確定的になった午後には一時1.2636ドルとメイ首相が総選挙実施を表明した4月18日以来の安値を更新した。下落率は2.5%とハードブレグジット(強硬な離脱)への懸念が高まっていた2016年10月以来の大きさを記録した。

  みずほ銀行の唐鎌大輔チーフマーケットエコノミストは、「与党過半数割れにより、2代続けて英首相が『不要なギャンブル』で地位を失うことになりそうだ」とし、「ただでさえ足りない離脱交渉の時間がさらに足りなくなり、ブレグジット(英国の欧州連合離脱)での最大リスクとみられるクリフエッジ(合意なしのなし崩し離脱)の可能性が高まった」と指摘。「ポンド急落は当然の反応」と話した。

メイ英首相
メイ英首相
Photographer: Chris Ratcliffe/Bloomberg

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  ポンド・円も1ポンド=142円台半ばから一時2.1%安の139円54銭前後と4月21日以来の水準に下落。ユーロ・ポンドは16年11月以来の高値となる1ユーロ=0.88595ドルを付けた。

  一方、ドル・円相場は日本株の堅調推移や米金利の持ち直しを背景にじり高となった。早朝にはポンド・円の急落を受けて1ドル=109円77銭まで弱含んだが、その後値を切り上げ、午後には一時110円48銭と3営業日ぶり高値を付けた。

  ソシエテ・ジェネラル銀行東京支店の鈴木恭輔為替資金営業部長はドル・円について、上値は米政治要因が重しとなって動きづらい一方、米利上げが下値を支えており、「先行き値幅がなかなか期待できない状況だ」と説明。もっとも、来週は米連邦公開市場委員会(FOMC)や米債入札があり、米金利に上昇余地があることを考えると「111円ちょうどをひっかけるくらいはありそうだ」と話した。

  この日の東京株式相場は反発。日経平均株価は0.5%高で取引を終えた。米10年債利回りは時間外取引で2.16%まで下げた後、2.20%付近まで戻している。

  ユーロ・ドルは続落。前日の欧州中央銀行(ECB)によるインフレ見通し引き下げやドラギ総裁会見がハト派的と受け止められ、一時1ユーロ=1.1179ドルと5月末以来の安値を付けた。

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