6月2週(12ー16日)の日本株は、週後半にかけ堅調な展開が予想される。米国の金融政策判断を見極めようと、週前半はこう着ムードが強まる見通し。重要イベントを通過すれば、日本株の割安さや良好な企業業績を再評価する買いが入りそうだ。

  米国では13ー14日に連邦公開市場委員会(FOMC)が開かれる。金利先物が示す6月の利上げ確率は93%、市場は今回の利上げ実施を織り込んでいるため、バランスシートの縮小や年内の利上げペースに関する当局の見解が焦点になる。米経済統計が力強さを欠く中、株式市場はバランスシートの縮小と利上げペースについて、米長期金利の上昇や為替のドル高・円安につながるタカ派的なメッセージは出にくいとみている。半面、政策変更を前に米金利は先行して低下傾向となっており、一段の金利低下・円高も想定しづらい。無難に消化すれば、材料出尽くしから為替が円安方向に戻し、日本株にプラスに働く可能性がある。

株価ボード前の歩行者
株価ボード前の歩行者
Photographer: Tomhoiro Ohsumi/Bloomberg

  米国では14日に5月の小売売上高と消費者物価、15日は6月のフィラデルフィア連銀製造業景況指数、16日には5月の住宅着工件数も発表される。市場予想は、小売売上高が前月比0.1%増(前回0.4%増)、消費者物価が0%(同0.2%増)、フィラデルフィア景況指数は25(同38.8)。いずれも低下する見込みだが、米統計の最近の低調は相場に反映済みの面があり、悪影響は限定的となりそうだ。中国では、14日に5月の小売売上高と鉱工業生産が明らかになる。

  国内では、12日に発表される4月の機械受注は0.5%増と前回(1.4%増)から伸びが鈍化する見通し。15ー16日は日本銀行が金融政策決定会合を開き、金融政策の現状維持が濃厚だ。市場では、日本の金融政策についても正常化への道筋に関心が集まりつつあるが、黒田東彦総裁は英国での講演で、「物価安定の目標である2%の達成にはなお距離がある」と話している。第1週の日経平均株価は週間で0.8%安の2万13円26銭と3週ぶりに反落した。

≪市場関係者の見方≫
ニッセイアセットマネジメントの久保功株式ストラテジスト
  「緩やかな上昇となろう。米景気は金利正常化を止めるほど弱くないが、加速させるほど強くもない。6月以降はあと年内1回の利上げがあるかないかの状況で、景気やインフレ関連指標があまり強くない中での今回のFOMCはハト派的になる可能性がある。ただ、債券や為替市場は既に十分織り込んでおり、FOMC後はイベントを無難にこなしたとし、株式市場はポジティブ方向に向かうだろう。日本株のバリュエーションはアベノミクス以降の中間に位置し、高くも安くもないが、米国株のバリュエーションが上昇しているだけに相対的な割安感がある」

アセットマネジメントOne運用本部調査グループの浅岡均ストラテジスト
  「高値圏で推移しそうだ。最重要イベントはFOMCで、年内のバランスシート縮小の方法が正式にアナウンスされる見込み。思ったよりも詳細な縮小の内容が出たり、9月での開始が出るようならサプライズだが、その可能性は低い。むしろ、縮小を開始することで利上げがしにくくなるとの観測から、米長期金利は低下方向となり、金融相場継続で米国株は値持ちが良くなるだろう。ドル・円の上値は重くなるが、日本株は過剰流動性によるリスク資産への資金流入に支えられやすい。日銀は景気・インフレ率などから政策変更のインセンティブはなく、出口論につながるような過度な引き締めトーンも出してこないだろう」

三井住友アセットマネジメントの石山仁チーフストラテジスト
  「上昇基調を継続しそう。欧米イベントをこなし、金融市場にノイズが広がらなかったことが安心感につながる。海外投資家は株主総会を前に企業のキャッシュフローの有効活用、株主資本利益率(ROE)改善への期待などを先取りして日本株を買っている可能性がある。最大の注目点はFOMC。足元で弱めの経済指標で出てくる中、9月の利上げ、12月のバランスシート縮小を当局者がどうみているのかを確認したい。日銀会合は大きな変化はないだろう。従来の金融緩和基調が終わるわけではないが、より強烈に金利に対しコミットする姿勢を市場にアピールするタイミングに差し掛かっている」

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