9日の東京株式相場は反発。出資先企業の株価急騰などを材料にソフトバンクグループが17年ぶり高値を付け、主要株価指数を押し上げた。欧米のリスクイベント後の海外株式が落ち着いていたことも投資家心理にプラスに働き、業種別では情報・通信株のほか、銀行や不動産株が高い。

  TOPIXの終値は前日比1.25ポイント(0.1%)高の1591.66、日経平均株価は104円(0.5%)高の2万13円26銭。

  三井住友アセットマネジメントの石山仁チーフストラテジストは、米国連邦捜査局(FBI)のコミー前長官の議会証言を受けても「金融市場のボラティリティは上がっていない。ドル・円相場が落ち着いている限り、懸念は小さい」と指摘。また、総選挙を受け英国の政治不透明感が増し、ポンドが下落しても「英経済にとってはむしろプラス、日本の投資家はリスクを冷静に見極めている」と言う。

ソフバンクGと中国アリババの2トップ
ソフバンクGと中国アリババの2トップ
Photographer: Tomohiro Ohsumi/Bloomberg *** Local Caption *** Jack Ma

  この日の日本株は、8日投開票の英国総選挙の結果を見極めたいとの姿勢もあり、日経平均は上昇、TOPIXは小幅安とまちまちで開始。その後午前後半にかけ上昇基調を強めた。

  安心材料の一つとなったのは、重要イベントが重なった前日の欧米株の落ち着きだ。欧州中央銀行(ECB)は政策委員会でユーロ圏の経済成長率の見通しを上方修正した一方、インフレ率予測を引き下げた。米国では、コミー前FBI長官が上院情報委員会での証言で、自身の解任を巡るトランプ大統領の説明について「全くのうそだ」と発言。8日の米S&P500種株価指数は0.03%高、ストックス欧州600指数は0.01%安とほぼ横ばいだった。投資家の恐怖心理を示すシカゴ・ボラティリティ指数(VIX)は10.16に低下した。

  きょうのドル・円は、一時1ドル=110円30銭台と前日の日本株終了時109円44銭からドル高・円安で取引された。需給面では、先物・オプション6月限の特別清算値(SQ)算出を通過したことも買いが入りやすくなった一因。いちよし証券の大塚俊一投資情報部長は、「SQ絡みの売買が一巡し、需給面で軽くなった」と言う。ブルームバーグの試算で、日経平均型のSQは1万9997円63銭と8日終値を88円37銭上回った。

  週末の持ち高整理もあり、午後に入ると株価指数は伸び悩んだが、東海東京調査センターの長田清英シニアグローバルストラテジストは、政治イベントは「結果がどうあれ、あまり世界のマーケットに悪影響を及ぼしていない」と指摘。世界的な株価堅調の背景にあるのは「グローバルな景気回復の流れ、堅調な企業業績という裏付け」と話していた。

  BBCによると、英総選挙は定数650の下院で与党・保守党が322議席を獲得する見通し。現有議席は330。労働党は261議席(現有229)の予想。出口調査では保守党314、労働党266だった。英下院は、絶対多数政党が不在となる「ハングパーラメント」になる見通しだ。

  東証1部33業種は銀行、情報・通信、その他製品、非鉄金属、ゴム製品、鉄鋼、不動産、ガラス・土石製品など21業種が上昇。陸運やサービス、食料品、精密機器、医薬品、化学、建設、小売など12業種は下落。
  
  売買代金上位では、出資先の中国アリババ・グループ・ホールディング株が急伸、みずほ証券が投資判断を強気に上げる材料が重なったソフトバンクグループが大幅高。ソフバンクG1銘柄で日経平均上げ分の7割を占めた。任天堂やファーストリテイリング、東芝も高い。半面、海外孫会社の不適切会計問題への懸念で富士フイルムホールディングスが売られ、花王やコナミホールディングス、オリエンタルランド、セコムも安い。

  • 東証1部の売買高は22億6387万株、売買代金は3兆2000億円、代金はSQの影響で前日から26%増えた
  • 上昇銘柄数は903、下落は982
最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中 LEARN MORE