英総選挙の投票日がやってきた。欧州連合(EU)離脱と財政政策、そして終盤では治安が焦点となった選挙戦だった。

  ロンドン時間午後10時に投票が締め切られるとメディア各社が出口調査結果を公表するが、最終結果は9日朝になるまで分からない。

  メイ首相は与党・保守党の勢力を拡大し盤石の基盤を持ってEU離脱交渉に臨むことを目指し総選挙に踏み切ったが、幾つかのつまずきと2回のテロが選挙戦の方向を変えた。最大野党の労働党が勢いづき、世論調査での差は縮小した。

  解散前の保守党議席は定数650のうち330。議長や欠員、シン・フェイン党の議席を除いた半数を10議席上回る状態だった。メイ首相のもくろみが成功したかどうかはこれを基準に測られることになる。5つのシナリオは以下の通り。

1.保守党の議席が半数を100以上上回る
この場合、メイ首相の地位は向こう5年間安泰となり、首相の描くビジョン通りのEU離脱を交渉することができる。

2. 保守党の議席が半数を50以上上回る
この場合、メイ首相は2年間のEU離脱交渉期間中に保守党党首の座を脅かされがちになる。強硬なEU懐疑派の力が強くなり、通商や移行期間について英国の望むような合意を勝ち取るための譲歩がしにくくなる。

3. 保守党の議席は半数を上回るが差は10未満となる
保守党にとって解散前よりも状況が悪化したことになり、メイ首相の立場は危うくなる。EUとのトレードオフで離脱交渉をスムーズにできる可能性は小さくなる。

4.いずれの党も過半数を確保できない
これは連立政権への道を開く。この場合は恐らく、再来週からEU離脱交渉が始まることはなくなり、英国の政治家らは連立工作に明け暮れる。労働党とEU寄りの自由民主党やスコットランド民族党(SNP)との連立を模索し成立する可能性も生じる。移民問題で譲歩して単一市場にとどまる選択肢に現実味が出てくる。

5.労働党が過半数獲得
これは想定外の結果であり、EU離脱の方向を大きく変える。交渉は恐らく延期され、コービン労働党党首に方針をまとめる時間を与えるため、EU各国は英国の離脱時期を2019年3月から遅らせることに同意するかもしれない。

原題:Britain Votes as Narrowing Polls Indicate These Five Scenarios(抜粋)


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