金融庁は、金融機関を対象に保有する債券の金利リスクに備えるための規制を見直す方針だ。日本国債や外債の金利が変動した場合に発生する損失への耐性強化を求める。新基準はメガバンクなど国際展開する金融機関には18年3月期から、国内銀行などには19年3月期から導入する予定。

  事情に詳しい関係者が匿名で語ったところによると、基準を見直すのはアウトライヤー規制と呼ばれるもので、保有する債券の損失を自己資本の一定割合内に収めることを義務付けている。今回の見直しでは自己資本(中核資本)に対する損失割合を、国内基準行は従来通り20%とし国際基準行は15%とより厳格化することが検討されている。同時に、通貨の区別がなく一律上下2%としていた保有債券の金利変動幅を円建て1%、米ドル建てなどは2%とし、早期対応を求めるもよう。

   現在、金融庁は検査・監督の一体化を進めて金融機関と対話形式による指導を重視していく方針を示している。今回の基準見直しはバーゼル規制の変更に合わせて実施するもので、国内では有価証券の運用方針やリスク管理体制、健全性の維持などについて金融機関に対応を求めていく。

  日本銀行によるマイナス金利政策の影響を受け、国内金融機関は本業の融資収益が伸び悩んでいる。SMBC日興証券の調べでは、上場地銀82行の17年3月期純利益は前期比11%減少したのに続き、18年3月期は17%減を予想。3メガバンクも前期純利益合計が前の期比1.4%減、今期は4.8%減と4期連続で減益となる見込みだ。こうした中、有価証券への投資拡大が経営リスクとして浮上している。

  BNPパリバ証券のチーフクレジットアナリスト、中空麻奈氏は取材に、金融庁から詳細が発表されるまで断定的なことは言えないとした上で、今回の規制見直しは金融機関に「基本的にやってほしいのは貸し出しですよ、というメッセージかもしれない」と話した。

  地銀などへの債券保有に対する規制導入については日本経済新聞が8日付の朝刊で報じていた。

最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中 LEARN MORE