8日の東京株式相場は反落。日本銀行の金融政策に先行き不透明感が広がったほか、為替の円高推移も嫌気された。不動産や電力、陸運株など金利上昇がデメリットになる業種が下げたほか、情報・通信や小売、サービス株と相対的に内需セクターが安い。

  TOPIXの終値は前日比6.68ポイント(0.4%)安の1590.41、日経平均株価は75円36銭(0.4%)安の1万9909円26銭。

  SMBC信託銀行の山口真弘シニアマーケットアナリストは、「日本銀行は掲げる目標と実務の間でジレンマを抱え、そこを説明責任で何とかしようとしている」と指摘。異次元緩和の出口議論についてマーケットは懸念したというより、「ヘッドラインに反応した印象」と話した。

東証アローズ
東証アローズ
Photographer: Tomohiro Ohsumi/Bloomberg

  この日の日本株は、前日の米国株高や米長期金利の上昇、経済協力開発機構(OECD)による世界成長率予想の上方修正などを好感し、続伸して開始。日経平均は午前に一時76円高まで買われた。その後は伸び悩み、2万円付近で一進一退の状況が続いたが、午後2時すぎ以降に先物主導で下げ幅を広げた。

  ブルームバーグ・ニュースは8日午後、関係者の話として、日銀が異次元緩和の出口議論について、時期尚早としていた姿勢を改め、市場との対話を重視する方向に修正しつつあると報じた。報道をきっかけに、ドル・円相場はそれまでの1ドル=109円90銭付近から同50銭前後まで円高方向に振れると、日本株にも売り圧力が高まった。

  8日の海外市場では、欧州で英国総選挙と欧州中央銀行(ECB)の政策委員会、米国で連邦捜査局(FBI)のコミー前長官の議会証言も控える。さらに9日は、株価指数先物・オプション6月限の特別清算値(SQ)算出があり、積極的な買いが入りにくかった事情も午後に相場が崩れる背景にあった。

  このほか、内閣府が取引開始前に発表した日本の1-3月期の実質国内総生産(GDP)改定値は、事前予想に反し速報値の前期比年率2.2%増から1%増へ下方修正された。三井住友信託銀行の瀬良礼子マーケット・ストラテジストは、「数字が半分になったのは変化として大きい。本当は強くなかったのかという迷いが出た」と言う。

  東証1部33業種は不動産、電気・ガス、陸運、輸送用機器、鉱業、倉庫・運輸、証券・商品先物取引、サービス、鉄鋼、小売など28業種が下落。水産・農林、保険、銀行、空運、電機の5業種は上昇。日銀政策を通じた金利上昇の可能性を材料視する動きとなり、デメリット業種の不動産などが下げた半面、銀行などメリット業種は買われた。

  売買代金上位では、5月の単体売上高減少した電通が下げ、ブイ・テクノロジーやJR東海、三井不動産も安い。これに対し、SMBC日興証券が目標株価を上げた日本水産は大幅高。第一生命ホールディングス、シティグループ証券が投資判断を「買い」に上げたTDKも高い。

  • 東証1部の売買高は19億8375万株、売買代金は2兆5299億円
  • 上昇銘柄数は698、下落は1198
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