米連邦捜査局(FBI)長官の職を解かれたジェームズ・コミー氏は、フリン前大統領補佐官(国家安全保障担当)に対する捜査を終了するよう、トランプ大統領から2月に求められたことを明らかにした。8日に上院情報特別委員会で証言するコミー氏の冒頭発言の原稿を同委員会が7日に公表したもので、大統領は「これを終わらせることを望む」と述べたとされる。

  トランプ大統領はフリン氏について「彼は良いやつだ」と述べ、それに対しコミー氏も「彼は良いやつだ」と返答したが、捜査を終了する意向を大統領に表明したことは一度もないとしている。

トランプ大統領とコミー前FBI長官(1月)
トランプ大統領とコミー前FBI長官(1月)
Photographer: Andrew Harrer/Bloomberg

  1月27日にコミー氏がトランプ大統領と2人だけでホワイトハウスで夕食を共にした際には、大統領から「私は忠誠を求める」と言われ、コミー氏は夕食会について「ある種の利益関係を確立するために」設定されたと感じたと証言する。  

  コミー氏は大統領から「忠誠が必要だ。忠誠を期待する」と言われた後の「気まずい沈黙の間、自分は身動きせず、話もせず、表情も変えなかった。ただ無言で互いを見た」と説明した。

  議会証言でコミー氏は、5月9日の解任までトランプ大統領と交わした会話を詳述する。コミー氏のプランを知る関係者によると、同氏はロバート・モラー特別検察官との間で証言内容を調整した。

  トランプ大統領の弁護士、マーク・カソウィッツ氏は発表文で、「トランプ大統領は、自分がロシア疑惑捜査の対象になっていないと個人的に報告していたコミー氏がついに公式にこれを確認したことに満足している」とし、「大統領は自分の正しさが完全に立証されたと感じている。自身の課題を今後も推進していきたい考えだ」と述べた。

  トランプ氏の言動が司法妨害の証拠となり得るかに注目が集まる中、コミー氏はフリン氏に関する捜査について「これを終わらせることを望む」という大統領の求めを、ロシア疑惑捜査全般に言及した要請だとは解釈しなかったことを明らかにした。

  コミー氏は「大統領の要請は、フリン氏が昨年12月のロシア大使との会話について誤った説明を行った問題を巡る捜査をやめることだと私は理解した」と述べ、「ロシア疑惑や選挙戦中のトランプ陣営との関係を巡る幅広い捜査について大統領が話しているとは考えなかった」と説明した。

  コミー氏はトランプ氏が個人的に捜査対象となってはいないことを3回、同氏に伝えたことを認めた。ただ、FBIや司法省がそのような趣旨で公式見解を示すことはないとも述べ、「多くの理由がある中で最も重要なのは、見解を変える場合に訂正する義務が生じることだ」と付け加えた。

  同氏はさらに、トランプ氏が大統領の職務遂行に影を落とす「暗雲」について再三にわたり言及したことも明らかにした。トランプ氏が大統領選に立候補する前のロシアとの関係や同国での行動に関する根拠のない疑惑に間接的に言及したコミー氏は、トランプ氏は「ロシアとの関係はなかったし、ロシアで売春婦とも関わらなかった。ロシアでは言動が記録されていると常に思っていたと述べた」とし、「トランプ氏は『その暗雲を晴らす』ために何ができるかを尋ねた」と説明。これに対しコミー氏は「この件についてできるだけ迅速に捜査を進めている」と返答したとしている。

  同氏はまた、トランプ大統領と最後に会話したのは4月11日だったと述べ、大統領から電話で、自分が捜査対象でないと公表するために何をしたかと問われたことを明らかにした。トランプ氏が「私はこれまであなたに非常に忠実だった。ああいうことがあったのは分かっているだろう」と言ったが、コミー氏は返事をせず、「ああいうこと」が何を意味するかを尋ねなかったという。

原題:Comey Says Trump Asked Him to End FBI Probe of Ex-Aide Flynn (3)(抜粋)

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