6日の東京外国為替市場ではドル・円相場が1ドル=110円を割り込み、1カ月半ぶり安値を付けた。米国の利上げペースの鈍化観測や8日のイベントリスクが警戒されるなか、日本株の下落や米長期金利の低下を背景にドル安・円高が加速した。

  ドル・円は午後4時22分現在、前日比0.8%安の109円62銭。110円半ばから徐々に値を切り下げ、午前10過ぎには110円を割り込んだ。109円台後半ではいったん下げ渋ったが、午後には再びドル売り・円買いが強まり、一時109円56銭と4月21日以来の安値を付けた。

  みずほ銀行国際為替部グローバル為替営業チームの竪智司次長は、米国が「6月に利上げをしてもその先を積極的に見通せない状況」の中、ドル・円は110円台の堅さからドルを買い持ちにしていた投機筋のポジション調整が8日のイベント前に出ている面もあるだろうと説明。「少なくとも欧州中央銀行(ECB)理事会やコミ-前米連邦捜査局(FBI)長官の証言、英総選挙といったイベントをこなすまでは調整的な動きが続きそう」と話した。

  ブルームバーグ・データによると、円は主要16通貨全てに対し前日終値から上昇、ドルは大半の通貨に対して下落している。竪氏は「ドルインデックスが下げる中でドル・円も押しつぶされている状況。ドルはユーロなどマイナス金利の通貨に対してすら下げており、この動きは当然といえば当然」と解説した。  

  6日の東京株式相場は続落。引けにかけて一段安となり、日経平均株価は3営業日ぶりに2万円の大台を割り込んだ。米10年債利回りは時間外取引で3bp低下の2.16%。

  IG証券の石川順一シニアFXストラテジストは、株安は円を買い戻す要因として働きやすいが、「世界的にリスク回避が強まっているわけではないため、これが続くかどうか不透明な部分はある」と指摘。一方で、「米金利の超低空飛行」によるドル売り圧力は根強いとし、ドル・円が仏大統領選リスク後退後のサポート水準である109円60銭を割り込めば「108円トライが視野に入る」と話していた。

  ユーロ・円は1ユーロ=124円台半ばから一時123円23銭と1週間ぶりの水準まで円高が進行。一方、ユーロ・ドルは1ユーロ=1.12ドル半ばから一時1.1278ドルまでユーロ高・ドル安に振れた。

  オーストラリア・ドルは対円で1豪ドル=82円台後半から81円台後半まで下落。朝方発表された1-3月期の豪経常収支が予想以上の赤字となったことを受け、売りが先行した。

  午後にはオーストラリア準備銀行(中央銀行)が政策金利の据え置きを発表。結果は予想通りで、発表後は豪ドルが買い戻される場面も見られた。ただ、SMBC信託銀行プレスティアの二宮圭子シニアFXマーケットアナリストは、「あすの1-3月期の豪GDP(国内総生産)は伸び鈍化が見込まれており、大幅な豪ドル高は時期尚早」と指摘。「原油や鉄鉱石など国際商品価格が軟調に推移しているので、交易条件の悪化に対する警戒感が豪ドルの上値を抑えている状況に変わりはない」と話した。

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