スプリントTモバイルUSの合併が実現する場合、金融機関の出番がない可能性がある。事情に詳しい複数の関係者によれば、両社間の初期段階の協議で、資金調達の必要性がない全て株式による取引が選択肢として浮上した。

  ただTモバイルの過半数株式を保有するドイツテレコムと、スプリント株約83%を保有するソフトバンクグループはまだ合併を本格的に目指すかどうかも決定していない。交渉が非公開であることを理由にこれら関係者が匿名で明らかにした。スプリントとTモバイルは他の合併パートナー候補とも協議中だという。両社はコメントを控えた。

  5日の米株式市場でTモバイルの終値は1.4%安の67.40ドル。スプリントは1%高の8.96ドル。

  評価額はTモバイルが800億ドル(約8兆8400億円)強、スプリントが700億ドル前後。このような巨大合併では通常、巨額の融資が絡むが、株式交換による合併の場合はその必要がなく、大手銀は肩透かしを食うことになる。

  これら関係者によると、非公式に検討されている案の一つは、ドイツテレコムの持ち株比率がソフトバンクよりも若干上回るような株式交換比率をスプリントとTモバイルが設定するというもの。合併後のドイツテレコム、ソフトバンクの持ち分は共に50%を下回るようにする。

  さらに、ドイツテレコムが新会社を連結化できるよう持ち株会社を設立するという案も検討されている。関係者の一人によれば、ソフトバンクは取引を実現させるため、ある種の条件の下でスプリントの経営権を譲る用意がある。これは今年、英ボーダフォン・グループとインドの携帯電話会社アイデア・セルラーが合意したインド事業の合併形態と似ている。

  しかしスプリントとTモバイルの合併には、さらに米規制当局の承認という難題が立ちふさがる。当局は全米規模の無線通信事業者を4社から3社に減らすことに抵抗を示しているからだ。ソフトバンク、ドイツテレコム、Tモバイル、スプリントの幹部らはこの数週間、投資家に対し合併の利点を説いてきた。またスプリントのクラウレ最高経営責任者(CEO)は5月にワシントンの政府規制当局者と次世代無線通信技術について協議した。
  
原題:In T-Mobile-Sprint Talks, All-Stock Option Said to Emerge (1)(抜粋)

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