東京外国為替市場でドル・円相場は1ドル=110円台半ばで推移。前週末の米国市場でのドル売り・円買い優勢の流れを引き継ぎ、約2週間ぶりのドル安・円高水準を付けた後は、米長期金利が持ち直したことなどに伴い、値を戻した。市場関係者からは、6月の米利上げ観測やオプション関連の需要が相場を支えているとの指摘が出ていた。

  5日午後3時36分現在のドル・円は前週末比0.2%高の110円58銭。朝方はドル売り・円買いが先行し一時110円26銭と、5月18日以来のドル安・円高水準を付けた。その後は水準を切り上げ、午後に入って110円73銭まで戻した。主要10通貨に対するドルの動きを示すブルームバーグ・ドル・スポット指数は0.05%低下。

  野村証券外国為替部の高松弘一エグゼクティブ・ディレクターは、ドル・円について「米6月利上げが見込まれていることやオプション関連の買い需要がそれなりにありそうなことがサポート」と指摘。「日経平均株価が2万円台で推移する中で、円高がどんどん進んでいくというのは違和感がある。最近は、短期的には需給などで相場は動くが、中長期的にポジションを維持するほどのビューを描きにくくなっており、上も下もやりづらい」と述べた。

  この日の日経平均株価は3営業日ぶりに小反落したが、前週末比6円46銭安の2万170円82銭と2万円台を維持して取引を終えた。

  5日の時間外取引で米10年債利回りは一時1ベーシスポイント(bp)高の2.17%程度まで上昇。サウジアラビア、バーレーン、エジプト、アラブ首長国連邦(UAE)の4カ国は5日、イスラム原理主義組織への支援を理由に、カタールとの外交関係を断絶すると発表。中東情勢の緊迫化を受けて原油先物相場は上昇している。

  前週末2日の米国市場ではドルが主要10通貨に対して全面安。労働省が発表した5月の雇用統計で非農業部門雇用者数が前月比13万8000人増と、市場予想(18万2000人増加)を下回り、4月の17万4000人増加(改定値)から減速した。10年債利回りは一時7bp低下の2.14%と、昨年11月以来の低水準を付けた。

  東海東京調査センターの柴田秀樹金利・為替シニアストラテジストは、「米雇用統計が予想を下回りドル・円は下げたが、ここまで落ちるとは思わなかった。米長期金利は年初来最低水準で、ドル・円は米金利との連動性が高く下押しした。8日にコミー前連邦捜査局(FBI)長官の議会証言や英総選挙を控えイベント前の調整もある」と説明。もっとも、「200日移動平均線(110円36銭程度)を割り込んだ後は戻しており、このあたりが良いところではないか」と述べ、一段と売られることはないとの見方を示した。

ドルと円
ドルと円
Photographer: Tomohiro Ohsumi/Bloomberg

  週末3日のロンドンでのテロ事件を受けて、ポンド・ドルが下落。同時刻現在、1ポンド=1.2865ドル。一時0.3%安の1.2853ドルまでポンド安・ドル高に振れた。東海東京調査の柴田氏は、8日の英総選挙を控え「テロで現政権に対する批判的な見方が出ている。与党・保守党の支持率が低下し、ポンドに売りが出ている」と語った。

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  ユーロ・ドル相場は同時刻現在、1ユーロ=1.1265ドル前後。前週末には一時1.1285ドルと昨年11月以来のユーロ高・ドル安水準を付けた。市場では、8日の欧州中央銀行(ECB)理事会が注目されている。

  ソシエテ・ジェネラル銀行東京支店の鈴木恭輔為替資金営業部長は、ECB理事会について、「景気認識やリスク評価を変えてくることがすでに想定されている。ドラギ総裁の発言もスタンスは変わらず、ハト派的なものになりそう。声明でユーロが上にいっても、会見で売られるのではないか」と見込んでいる。

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