5日の東京株式相場は3営業日ぶりに小幅反落。低調な米国雇用統計や為替の円高推移、国際商品市況の下落が嫌気され、輸送用機器株のほか、鉄鋼や非鉄金属など素材株、石油や商社など資源株が売られた。証券や銀行など金融株も安い。

  半面、小売や食料品、情報・通信、建設株など内需・ディフェンシブ業種は堅調。海外株式に対する出遅れ感や国内企業の収益力向上を評価しようとする動きは根強く、株価指数の下押し圧力は限られた。

  TOPIXの終値は前週末比2.23ポイント(0.1%)安の1609.97、日経平均株価は6円46銭(0.03%)安の2万170円82銭。

  セゾン投信の瀬下哲雄ポートフォリオマネジャーは、「為替市場で円高が進んだ割に底堅い印象。日本株が見直されているというよりも、世界的な金余りの恩恵を受けている」と話した。

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Photographer: Junko Kimura/Bloomberg

  米労働省が2日に発表した5月の雇用統計は、非農業部門の雇用者数が前月比13万8000人増と事前予想の18万2000人増を下回った。4月は、21万1000人増から17万4000人増に下方修正。平均時給は前年同月比2.5%増と、予想の2.6%増に届かなかった。

  市場では7月以降の米利上げ時期に不透明感が広がり、2日の米10年債利回りは一時年初来最低となる2.14%に低下。ニューヨーク為替市場ではドルが下落し、 主要10通貨に対するドルの動きを示すブルームバーグ・ドル・スポット指数は昨年11月の米大統領選挙前の水準まで下げた。きょうのドル・円はおおむね1ドル=110円40ー60銭台で推移、前週末の日本株終了時111円61銭に対しドル安・円高で取引された。

  週明けの日本株は米統計や為替動向が嫌気され、売り先行で開始。日経平均は一時73円(0.4%)安まで下げる場面があった。前週末に節目の2万円大台をおよそ1年半ぶり回復し、目先の達成感も出やすかった。原油など国際商品市況の軟調も指数の上値抑制要因だ。2日のニューヨーク原油先物は1.5%安となり、国際商品指数のトムソン・ロイター・コアコモディティCRB指数は1カ月ぶりの安値を付けた。また、高木証券の勇崎聡投資情報部長は業種別下落率でトップだった鉄鋼株について、中国やオーストラリアなど供給サイドの理由から「鉄鉱石価格が1トン=60ドルを割り込んでおり、鉄鋼株の重しになっている」とみていた。

  もっとも、朝方に比べると円高の勢いは限られたほか、日本時間今夜には米供給管理協会(ISM)の非製造業景況指数の公表も予定され、米統計内容を見極めようと一方的な売りも出にくく、日経平均、TOPIXともにプラス圏に浮上する場面もみられた。丸三証券の服部誠執行役員は、相場の「印象としては強い。日本企業の収益力が上がってきている点が評価されている。米金利は上がりにくいが、円安を伴わない日本株高の局面を迎えている可能性がある」と言う。

  東証1部33業種は鉄鋼、輸送用機器、海運、証券・商品先物取引、非鉄金属、石油・石炭製品、銀行、卸売、保険、不動産など19業種が下落。その他製品や小売、食料品、情報・通信、サービス、建設、化学、医薬品など14業種は上昇。
  
  売買代金上位ではトヨタ自動車や三菱商事、第一生命ホールディングス、新日鉄住金、住友金属鉱山、JXTGホールディングスが安い。半面、ゴールドマン・サックス証券が目標株価を上げた良品計画は買われ、任天堂やSUMCO、ブイ・テクノロジー、安川電機、ニトリホールディングス、スタートトゥデイは高い。

  • 東証1部の売買高は16億4811万株、売買代金は2兆3784億円
  • 上昇銘柄数は829、下落は1070
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