経済協力開発機構(OECD)のモニカ・カイザー社会政策局課長は、日本の女性の社会進出を進めるために、企業役員に一定数の女性を登用することを義務づけるクオータ制が有効な手段になると語った。

  5月29日のインタビューなどに答えた。カイザー氏は、女性の役員や管理職を増やすには時間がかかり、日本を含む多くの国でほとんど成果が出ていないと指摘。ただ、クオータ制を導入した国は例外だとし、「間違いなく一番の早道だ」と話した。

  母親が働きやすくなるような職場の意識改革の重要性についても強調した。特に長時間労働は女性だけではなく家族の問題だと説明し、「家族がもう少し多くの時間を一緒に過ごす方が健康的だ」と述べた。また長期の育児休暇は職場復帰を難しくするため、労働日数や時間の短縮など柔軟な働き方を可能にする必要があると語った。

  父親の育児休暇についても、取得しやすい職場環境を作るためには経営陣が率先して取得することが大切だと指摘。休暇の取得について「中間管理職が責任を持つ仕組みも効果的だ」と述べた。

  少子化による労働力の縮小に対処するため、女性の活用は不可欠な課題となっており、政府は2020年に上場企業役員に占める女性の割合を10%にすることを目指す。内閣府のウェブサイトによると、16年7月時点の割合は3.4%。米国やドイツは15年時点で2割前後の女性役員がおり、フランスでは34.4%に達する。

  カイザー氏は、安倍晋三首相が進める女性活躍政策について「人々の考え方を変えた」と評価する一方、重要性を理解してもらえるように「もう少しプレッシャーを与えてもいい」と発言。経済界の取り組みを促すためにも、重要な役職に就く職員を増やすなど、政府が模範を示す必要があるとの考えを示した。

  カイザー氏はドイツの研究所や世界銀行での勤務を経て、OECDに入構。現在はジェンダー問題で事務総長へのアドバイザーも務める。

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