6月第1週(5日-9日)の債券市場では長期金利が上昇する展開が予想されている。米国を中心に世界的な景気の回復基調に目が向きやすくなるとの指摘が聞かれるほか、30年債と5年債の入札を控えた調整の動きから、売り圧力が掛かりやすいことが背景にある。

  長期金利は週初から0.035%付近での値動きが続いた。1日実施の10年債入札で新しい回号となって利回り水準が切り上がり、2日には0.055%と4月10日以来の高水準を付けた。その後は0.05%に戻した。

  アムンディ・ジャパンの浜崎優市場経済調査部長は、「米トランプ政権の動揺に市場は反応しなくなり、ファンダメンタルズ(経済の基礎的諸条件)に目線が向いている。景気は先進国、新興国ともこぞって好調、こうした基調が継続するとみている」とし、「世界的な景気回復基調を背景に、長期金利のレンジは政治リスクが強まる前の0.05%~0.10%の定着を試すような展開になりそうだ」と見込む。

  財務省は6日に30年利付国債の入札を実施する。発行予定額は前回と同じ8000億円程度となる。8日には5年利付国債の入札が行われる。発行予定額は2兆2000億円程度に据え置かれる。いずれも、償還日が3カ月延びるため新しい回号となる。

  三菱UFJモルガン・スタンレー証券の稲留克俊シニア債券ストラテジストは、「5年入札の方は日銀の買いも続くだろうということで恐らく無難に消化される」と予想。一方で、「30年入札は財政の問題も出て悪材料があるので、消化に不安が残る」とし、「超長期は独自の要因でスティープバイアスが掛かりやすい」とみる。

市場関係者の見方

*T
◎岡三証券の鈴木誠債券シニアストラテジスト
*30年入札は0.8%台なら今までも無難にこなしており問題ない、これ以上の利回り上昇を期待しても20年金利が上がってこないと難しいだろう
*5年も含めて入札が2回あるので相場の上値を抑えるが、入札自体に不安はない。国債償還を控えているので押し目があれば買いは出てくる
*長期金利の予想レンジは0.03~0.07%

◎マスミューチュアル生命保険運用戦略部の嶋村哲金利統括グループ長
*30年入札、償還再投資の需要もあり低ボラティリティの中で無難に終わるとみる
*5年入札もここまで金利水準が静かに調整されてきたので、マイナス0.10%では止まる入札になるだろう
*長期金利の予想レンジは0.02~0.06%

◎アムンディ・ジャパンの浜崎優市場経済調査部長
*世界的な景気回復基調を背景に政治リスクが強まる前のレンジ0.05%~0.10%の定着を試すような展開になりそうだ
*トランプ政権の動揺には市場は反応しなくなり、ファンダメンタルズに目線が向いている
*長期金利の予想レンジは0.03~0.08%
*T

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