6月1週(5-9日)の日本株は堅調となりそうだ。米国や日本の良好なファンダメンタルズが再確認されることに加え、日本株の相対的な出遅れ感が支えになる。

  ブルームバーグの調査では、5日に発表される5月の米ISM非製造業景況指数は57と前回の57.5から小幅に低下するが、2015年10月以来の高水準を維持する見通し。アトランタ連銀が公表する「GDPナウ」によると、4ー6月(第2四半期)の米国内総生産(GDP)は前期比年率4%増が予想されている。一方、8日発表の日本の1ー3月期GDP改定値は、前期比年率2.4%増と速報値の2.2%増から改善する見込みだ。1日に発表された1ー3月期の法人企業統計などを踏まえ、SMBC日興証券は公共投資と設備投資がともに上方修正されるとみている。

株価ボードイメージ画像
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Photographer: Yuriko Nakao/Bloomberg

  良好な国内の企業業績も投資家に安心感を与えている。大和証券によると、主要上場企業(金融除く)の2016年度の経常利益は9年ぶり過去最高を更新し、17年度は11%の2桁増益を見込む。市場では、日本企業の稼ぐ力が向上し、為替動向に左右されにくくなってきた点を評価する声も多い。ブルームバーグのデータでは、TOPIXの17年の予想PERは14.4倍と米S&P500種指数の18.7倍、ストックス欧州600指数の16.1倍を下回り、海外に対する割安、出遅れ修正の動きが続く可能性がある。

  もっとも、海外の政治リスクには注意が必要だ。8日には、米連邦捜査局(FBI)のコミー前長官がトランプ大統領による解任について上院情報特別委員会で証言する。米政権とロシアとの関係を巡る疑惑が深まり、経済政策の停滞感が強まれば、株式市場はネガティブに反応する恐れがある。このほか、9日は株価指数先物・オプション6月限の特別清算値算出(メジャーSQ)となる。5月5週の日経平均株価は週間で2.5%高の2万177円28銭と続伸、2日の取引で15年12月以来、1年半ぶりに2万円を回復した。

≪市場関係者の見方≫
岡三アセットマネジメントの前野達志シニアストラテジスト
  「日経平均が心理的節目の2万円を超え、いったん達成感が強まりそうだ。日本株がさらに上値を目指すには米国金利の上昇、ドル高・円安という支援材料が必要だろう。もっとも、4ー6月期に米景気回復が見込まれる中、米金利の低下余地は乏しい。堅調な国内企業業績も支えとなり、2万円水準で値固めの展開になるだろう。コミー前FBI長官の議会証言はトランプ米政権に不利な発言が出る可能性があり、株式市場にとって一時的な下げ要因になり得る」

三井住友アセットマネジメント・株式運用グループの平川康彦ヘッド
  「米国や中国の想定より強い経済指標が安心感を誘っている。グローバルに株式に資金が流れる中、日本株は出遅れ感が意識されている。日経平均は2万円台を値固めする展開を予想。上振れしそうな第1四半期の企業決算もこれから視野に入り、下値をそれほど警戒する必要はない。需給面では、日経リンク債が重しとの見方もあったが、2万円を上抜けるとリンク債絡みの先物売りも出てこないため、逆に上昇に弾みが付いている可能性がある。 コミ-前FBI長官の証言で神経質な動きとなるかもしれないが、大崩れはしない」

レオス・キャピタルワークスの渡邉庄太ファンドマネジャー
  「15年6月に付けたアベノミクス相場以降の高値(日経平均で2万952円)を抜けていくようなファンダメンタルズの力強さはない。米欧などグローバルに金融政策は引き締め方向で、マネーフロー面でリスクオンのムードは高まりにくい。国内の企業業績は堅調でも、金融引き締め局面ではPERは低下する傾向があり、PER水準の切り下がりが日本株の上値を抑える要因になり得る。ただ、これまで日経平均の上値を抑えていた原因は仕組み債などの需給だったが、2万円超えで軽さが出てきた。短期的にはモメンタムの出ている大型株が物色されやすい」

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