2日の東京外国為替市場ではドル・円相場が1週間ぶりとなる1ドル=111円台後半へ上昇。今晩発表の米雇用統計への期待や日経平均株価の2万円台回復を背景にドル高・円安が進んだ。

  午後4時4分現在のドル・円相場は前日比0.2%高の111円60銭。前日の海外市場では5月の米ADP民間雇用者数が予想を上回る伸びとなったことを受け、111円台半ばまでドル買いが進行。東京市場に入ってからは日本株が大台を突破する中でリスク選好の円売りが強まり、一時111円71銭まで値を切り上げた。
  
  メリルリンチ日本証券の山田修輔チーフFX/株式ストラテジストは、日本株、ドル・円とも「サマーラリー」を想定しているが、ドル・円が「勢いよくドル主導で上げていく」には米長期金利が上昇する必要があり、「そのためには雇用増よりも賃金が鍵になる」と指摘。米利回り曲線が「もう少しスティープニングしないとなかなかモメンタムがつきにくい」と話した。

  ブルームバーグがまとめたエコノミスト調査によると、5月の米雇用統計で非農業部門雇用者数は前月比18万2000人増が予想されている。4月は21万1000人増だった。インフレ動向を見る上で注目の平均時給は前月比で0.2%増、前年同月比2.6%増の見込み。4月はそれぞれ0.3%増、2.5%増だった。給与明細書作成代行会社のADPリサーチ・インスティテュートが1日発表した給与名簿に基づく集計調査では、5月の民間部門の雇用者数は25万3000人増と市場予想の18万人増を大幅に上回った。

  みずほ証券の鈴木健吾チーフFXストラテジストは.「今回の雇用統計は6月の利上げの有無には影響せず、9月の利上げにつながるかどうかが焦点」だとし、完全雇用の中で時給が高まれば物価上昇につながり、ドル上昇に勢いが増すと予想。逆に時給が前回並みか鈍化となれば、「6月に利上げがあっても、その先が怪しくなる」と語った。

  前日の米株式市場では民間雇用の大幅増を好感して、主要株価指数が過去最高値を更新。2日の東京株式市場では日経平均株価が2015年12月以来となる2万円台を回復し、一時は400円近く上昇した。

  ブルームバーグ・データによると、円は主要16通貨全てに対して前日終値比で下落。大和証券の亀岡裕次チーフ為替アナリストは、「節目を抜けると株も上がりやすいので、円売り安心感が出ているのではないか」とみていた。

  来週は8日にトランプ米政権のロシア疑惑をめぐってコミ-米連邦捜査局(FBI)前長官の公聴会が行われるほか、英国の総選挙、欧州中央銀行(ECB)の定例理事会が予定されている。オーストラリア・ニュージーランド銀行(ANZ)の吉利重毅外国為替・コモディティー営業部長は、米雇用統計後にドル・円が上昇しても「来週のイベント前に利益確定の売りが強まり、結果110円台で週を越える可能性もあるだろう」と話した。

  ユーロ・円相場は1ユーロ=124円台後半から一時125円31銭と1週間ぶりの水準まで円安が進行。ユーロ・ドル相場は1ユーロ=1.12ドル台前半での小幅な動きが続いた。

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