2日の東京株式相場は、日経平均株価が1年半ぶりに2万円の大台を突破した。民間雇用など米国経済統計の堅調や為替のドル高・円安推移が好感され、電機など輸出株、鉄鋼など素材株、銀行や海運株中心に幅広く高い。日本株活況の好影響が見込まれる証券株も大幅高。

  TOPIXの終値は前日比26.06ポイント(1.6%)高の1612.20、日経平均株価は317円25銭(1.6%)高の2万177円28銭。TOPIXの1600ポイント、日経平均の2万円回復はともに2015年12月以来。さらに日経平均は一時2万200円台まで買われ、同年8月以来の水準まで上値を伸ばした。

  三井住友アセットマネジメント株式運用グループの平川康彦ヘッドは、「米国、中国の想定より強い経済指標が安心感を誘っている。グローバルに株式市場へ資金が流れる中、日本株は出遅れ感が意識されている」と言う。心理的な節目を超えたものの、「上振れの可能性もある第1四半期の企業決算がこれから視野に入り、下値をそれほど警戒する必要はない」との見方も示した。

東証アローズ
東証アローズ
Photographer: Tomohiro Ohsumi/Bloomberg

  米国の給与明細書作成代行会社のADPリサーチ・インスティテュートが1日に発表した5月の民間雇用者数は25万3000人増え、市場予想の中央値18万人増を上回った。前月は17万4000人増。供給管理協会(ISM)の製造業景況指数も54.9と前月の54.8に対しほぼ横ばいながら、活動の拡大・縮小の境目である50を維持した。

  きょうの米国市場では、5月の雇用統計が発表される。非農業部門雇用者数の市場予想は前月比18万2000人増。岩井コスモ証券投資調査部の堀内敏一課長は、ADP雇用統計を受け「前月を下回るとされていた市場予想を上振れするかもしれない、との見方が広がった」と指摘した。

  また、自動車メーカー各社が1日に発表した5月の米販売統計は、メモリアルデー連休中の契約増加やレンタカー会社などの大口顧客向けの値引き販売が寄与し、多くが市場予想から上振れ。1日の米国株は、S&P500種株価指数が0.8%高と最高値を更新し、きょうのドル・円は一時1ドル=111円70銭台と前日の日本株終値時点110円98銭からドル高・円安に振れた。

  この日の日本株は米統計内容や海外株式、為替動向が買い安心感につながり、上昇して始まったTOPIXと日経平均は徐々に上げ幅を広げた。UBS証券ウェルス・マネジメント本部の青木大樹・日本地域最高投資責任者は、為替動向に対し日本株の強さが目立ち、「日本企業はコストカット努力を重ね、稼ぐ力がついてきており、特有の強さが評価されてきている」とみる。

  三菱UFJモルガン・スタンレー証券の藤戸則弘投資情報部長は、バリュエーション面からみた割安感に加え、「好業績銘柄に外国人のパッケージ買いが入ってきている。海外のペンションファンドや投信は4月1週以降、日本株を買い越しており、続く可能性がある」と海外長期資金の流入の可能性を指摘した。日経平均の予想PERは1日時点で14.16倍と、過去半年の平均15.77倍を大きく下回る。

  東証1部33業種は鉄鋼、証券・商品先物取引、海運、銀行、石油・石炭製品、ゴム製品、保険、ガラス・土石製品、非鉄金属など30業種が上昇。下落は食料品、情報・通信、水産・農林の3業種。売買代金上位では、SMBC日興証券が投資判断を強気に上げた新日鉄住金が大幅高。三菱UFJフィナンシャル・グループやソニー、SUBARU、野村ホールディングス、第一生命ホールディングス、三菱電機、ブリヂストンも高い。半面、エムアップやNTTは安い。

  • 東証1部の売買高は23億1512万株。売買代金は3兆2233億円と5月8日以来の多さ
  • 上昇銘柄数は1509、下落は420
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