債券市場では長期金利が約2カ月ぶり高水準から横ばいに戻した。日経平均株価が1年半ぶりに2万円台に乗せたものの、日本銀行による国債買い入れオペの実施を背景に需給環境が良好で売りは限定的だったとの見方が出ていた。

  2日の現物債市場で長期金利の指標となる10年物国債の347回債利回りは、日本相互証券が公表した前日午後3時時点の参照値より0.5ベーシスポイント(bp)高い0.055%と、新発債として4月10日以来の高水準で開始。その後は0.05%で取引された。

  超長期債も戻した。新発20年物の160回債利回りは0.5bp高の0.575%から0.57%、新発30年物の54回債利回りも0.5bp高い0.815%から0.81%にそれぞれ水準を下げた。

  マスミューチュアル生命保険運用戦略部の嶋村哲金利統括グループ長は、債券相場について「きょうはこれだけ株高・円安になっているのに、債券市場は静かで、スティープ(傾斜)化できず、小じっかりだ。来週も日銀決定会合の前なので動きにくいだろう」と述べた。

  長期国債先物市場で中心限月6月物は、前日比3銭高の150円72銭で取引開始。150円73銭を付けた後、150円66銭まで下げたが、その後持ち直し、結局は横ばいの150円69銭で引けた。

  岡三証券の鈴木誠債券シニアストラテジストは、「株価がこれだけ上がればさすがに相場も重くなる。株が高い割にはしっかりしているとも言える。米雇用統計待ちという部分もある。投資家がバタバタ動いている感じはない」と述べた。

  東京株式相場は大幅上昇。日経平均株価は前日比1.6%高の2万177円28銭と、2015年12月以来の2万円台回復となった。民間雇用など米国経済統計の堅調さが好感された。外為市場でドル・円相場が1週間ぶりとなる1ドル=111円台後半へ上昇したことも買い手掛かりとなった。 

日銀買いオペ

  日銀はこの日、今月1回目となる長期国債買い入れオペを実施した。残存期間「1年以下」の買い入れ額が1000億円と前回オペから300億円の増額となった。一方、「1年超3年以下」が2800億円、「3年超5年以下」が3000億円、「5年超10年以下」が4500億円と、いずれも前回と同額だった。

  岡三証の鈴木氏は、日銀オペについて、「1年以下の増額の意図がよく分からない。もともと倍率が高いゾーンで300億円増額したところで急に需給が締まるわけでもない。それ以外のゾーンのオペは金額を据え置いており、今の金利水準を維持している分には問題ないということではないか」と述べた。

日銀買い入れオペ結果はこちらをご覧ください。

  来週は6日に30年債入札、8日に5年債入札がそれぞれ実施される。発行予定額は30年債が8000億円程度、5年債は2兆2000億円程度となる。

  マスミューチュアル生命の嶋村氏は、「30年債入札は償還再投資の需要もあり、低ボラティリティの中で無難に終わるとみる。5年債入札もここまで金利水準が静かに調整されてきたので、マイナス0.10%で止まる入札になるだろう」と述べた。

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