東京外国為替市場のドル・円相場はじり高。米連邦準備制度理事会(FRB)高官からの発言が相次ぐ中、6月利上げ観測などを背景にドル買い・円売りが優勢で、1ドル=111円台に乗せる場面が見られた。

  1日午後4時21分現在のドル・円は前日比0.2%高の110円97銭。朝方に付けた110円68銭から水準を切り上げ、午後には一時111円10銭まで上昇した。主要10通貨に対するドルの動きを示すブルームバーグ・ドル・スポット指数はほぼ変わらず。

  ドイツ証券外国為替営業部の小川和宏ディレクターは「6月米利上げが予想されている中で、金融政策の正常化がどのように進むのかに注目。バランスシート縮小について6月から議論を始め、9月に決定して12月か来年1月から始めると見込んでいる」と述べた。

  オーバーナイト・インデックス・スワップ(OIS)取引に基づいて推計される今月13、14日の米連邦公開市場委員会(FOMC)での利上げ確率は1日時点で100%で、ほぼ確実視されている。

  三井住友銀行市場営業部NYトレーディンググループの青木幹典グループ長(ニューヨーク在勤)は、「6月利上げはコンセンサスなので、利上げした後はセル・ザ・ファクト、材料出尽くしでドル売りになる可能性はあるが、さすがにFOMC前に積極的にドルを売っていくというのもなかなか厳しい」と説明した。

  サンフランシスコ連銀のウィリアムズ総裁は1日、ソウルでの記者会見で、米経済に上振れの可能性があるとし、今年は3回利上げがベースだが、経済が強くなれば4回利上げが適切になると述べた。

  FRBが前日に公表した地区連銀経済報告(ベージュブック)によれば、米経済はこの数週間に大部分の地区で「緩慢」ないし「緩やかな」拡大が続いた。ただ一部地区で楽観的な見方が後退したことを示す新たな兆候も見られた。

  1日の米国では、パウエルFRB理事が講演するほか、主要経済指標が発表される。ブルームバーグ調査によると、5月のADP雇用統計は18万人増加(4月は17.7万人増加)、ISM製造業景況指数は54.7(4月は54.8)、週間新規失業保険申請件数は23.8万件(前週は23.4万件)が見込まれている。

  三菱東京UFJ銀行金融市場部為替グループの野本尚宏調査役は、「月末要因などから米金利は下がり過ぎている感があり、きょうあすの米経済指標で米金利が上がればドル・円はそれに応じて戻る可能性がある」との見方を示した。前日の米国市場では、米国債利回り低下に連れてドルは下落。対円で一時110円49銭と5月18日以来の円高・ドル安水準を付けた。

円とドル
円とドル
Photographer: Tomohiro Ohsumi/Bloomberg

  ユーロ・ドル相場は同時刻現在、ほぼ変わらずの1ユーロ=1.1240ドル。一時1.1257ドルと5月23日以来のユーロ高・ドル安水準を付け、その後伸び悩んだ。

  ドイツ証の小川氏は欧州中央銀行(ECB)の金融政策について、「来年に債券購入プログラムを縮小する方向で6月ぐらいからフォワードガイダンスを変える準備か。ただECB内は一枚岩ではなく、8日の理事会の結果を見極めたい」と語った。
 
  豪ドルは下落。4月の豪小売売上高が市場予想を上回り上昇した後、中国指標下振れを受けて下落し、対ドルでは一時0.6%安の1ユーロ=0.7385ドルと5月15日の安値に並んだ。5月の中国財新製造業PMIは49.6と活動の拡大・縮小の境目である50を割り込み、2016年6月以来の低水準となった。

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