メイ英首相が政権失う「番狂わせ」は起きるか-議席予測モデル

  • 保守党が6議席失えば労働党党首が首相に指名されかねないとメイ氏
  • ユーガブの世論調査では保守党が過半数を失う可能性すら示された

Jeremy Corbyn.

Photographer: Luke MacGregor/Bloomberg

メイ英首相は6月8日投票の英下院(定数650)選挙で与党保守党が6議席失うだけで、最大野党・労働党のコービン党首が、連立政権の首班に指名されることになりかねないと有権者に訴えた。

  ブルームバーグの英国選挙トラッカーの議席予測モデルを活用して、8日夜に番狂わせが生じるには何が起きる必要があるかを探った。

  手短に答えると、それは起こり得るが、可能性はなお低い。労働党が過半数を得るには、恐らく10ポイントのリードが必要であり、2015年の総選挙から得票率を8ポイント上積みするという大きな変化を実現しなければならない。そのような離れ業をやってのけたのは、第2次大戦後では、1997年の地滑り的勝利で政権を奪還したブレア元首相率いる労働党だけだ。

  選挙キャンペーンの開始当初は揺るぎないと思われたメイ首相陣営のリードは、最大24ポイントから終盤に近づいた段階で一時5ポイントまで縮小した。この事実は受け入れざるを得ない。さらに30日公表された新たなモデルに基づくユーガブの世論調査結果では、保守党が過半数を失う可能性すら示された。

  先週の世論調査結果のうち労働党に最も有利なデータを議席カルキュレーターに投入したところ、労働党は保守党から約7議席を奪うが、保守党は労働党を90議席上回り、辛うじて過半数を維持するという結果が出た。

  労働党がさらに1ポイント伸ばせば、メイ首相が有権者の不安を助長するために想起させる絶対多数政党不在の「ハングパーラメント」というシナリオが現実になる可能性がある。保守党は労働党をなお75議席前後上回り第一党となるが、過半数にはわずかに届かない。自由民主党やスコットランド民族党(SNP)、ウェールズ民族党、緑の党の協力を得たとしても(メイ首相はこのケースを『混沌とした連立』と呼ぶ)、労働党のコービン党首は、保守党に対抗できる議席の確保に苦労するだろう。

  労働党と保守党が得票率40%で並ぶことができれば(労働党がこの水準に達したのは1970年以降で2回しかないが)、コービン党首は多数派工作でぎりぎり過半数を集められるかもしれない。それでも保守党に反対する他の政党、場合によっては北アイルランドのカトリック穏健派、社会民主労働党(SDLP)の協力が必要になろう。

原題:What Would It Take for Jeremy Corbyn to Win the U.K. Election?

翻訳記事に関する翻訳者への問い合わせ先:
東京 内田良治 ruchida2@bloomberg.net
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