UBSグループの投資銀行バンカーが過去2年間に関与した香港での新規株式公開(IPO)銘柄に、同バンカーの両親が投資家として関わっていたことが事情に詳しい関係者の話で分かった。

  このバンカーはカルビン・チョイ氏(38)。2016年1月にUBSのマネジングディレクターを辞め、ブティック型の投資助言会社AMTDグループの最高幹部となった。事情に詳しい関係者1人によると、UBSは同氏がコンプライアンス(法令順守)に関する内部規定に違反した可能性があると判断し、こうした疑いのあるケース1件を香港の証券当局に届け出た。

  関係者2人によれば、チョイ氏は15年、新特能源のIPOにUBS内で中心的に関わったが、そのIPO前に同氏の父親が新特能源の株主になっていた。関係者は情報が非公開であることを理由に匿名で語った。またブルームバーグが確認した資料によると、母親との関連がある企業がコーナーストーン(中核的)投資家だった。AMTDはチョイ氏が加わった後、別のIPO少なくとも2件に携わったが、そのうちの1社ないし両社で同氏の両親が投資家であるとの関係性が見つかった。

  香港の上場規則は、家族が株式を保有している、ないし保有する予定である企業のIPOに投資銀バンカーが関与することを禁じておらず、そうした関係を報告する義務もない。

  しかし新株発行の目論見書にその種の情報が盛り込まれていなければ、他の投資家はその銘柄の「全体像を捉える」ことができないと、香港取引所の社外取締役を務めたデービッド・ウェッブ氏は指摘する。

  チョイ氏にコメントを求めて電話やテキストメッセージ、電子メールで連絡を試みたが返答はなく、同氏の両親にも連絡が取れなかった。UBSの広報担当者はコメントを控えた。香港証券先物取引委員会(SFC)の広報担当者は、SFCが調査しているかどうか明らかにしなかった。

原題:Ex-UBS Banker’s Parents Bought Into China IPOs He Helped Arrange(抜粋)

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