三井住友F:3年後の純利益7000億円、国際事業強化など実質増益へ

  • 税効果剥落や利ざや縮小の状況下、実質約2000億円の利益拡大目指す
  • 経済成長が強い米州が一番チャンス-アジアに強い金融機関も標榜

三井住友フィナンシャルグループは、日本銀行のマイナス金利政策などによる影響で収益環境が厳しい状況下でも2019年度までに実質的に約2000億円の純利益拡大を目指す方針だ。本業の国内融資からの収益が低迷する中、国際事業の強化や非金利収益の増強で成長を見込む。

  4月に三井住友F社長に就任した国部毅氏はインタビューで、「厳しい中でもボトムライン収益を持続的に成長させ、19年度純利益目標を7000億円程度とみている」と語った。三井住友Fは4月からの3カ年新中期経営計画で純利益目標を明示しなかったが、国部社長が今回明らかにした。目標に対しては「マイナス金利や利ざや縮小をどう打ち返していくかが重要で、海外ビジネスなど成長戦略を伸ばしながら達成していく」と述べた。

  前期(16年度)の連結純利益は7065億円。3年後の目標は名目上は横ばいにとどまるが、実質的に2000億円の利益上積みが必要になるという。新中計は前期純利益から税効果分を差し引いた約6000億円を基点とし、さらにマイナス金利による利ざや低下などで3年間で1000億円の減益要因を見込んでいるためだ。

  国部社長は成長を目指す海外ビジネスについて、「大きな環境変化がなければ経済成長が強い米州が一番チャンスがある」とみる。海外で強化する業務では、傘下の銀行と証券会社の連携による社債引き受け業務などDCMや海外投融資案件の転売ビジネス、高採算の貨車・航空機リースなどを挙げた。同時に前中計から標榜する「アジアに強い金融機関」に向け、同地域の人員増強を継続していく意向を示した。

変化への適応で生き残り

  今回、三井住友Fは新中計で「大企業ビジネスでのプレゼンス拡大」を掲げた。国部社長は海外の非日系企業との取引拡大に加えて、「国内では大企業の海外買収や事業リストラに関連して非金利収益を伸ばしていく」と述べた。その際、「メガバンクとしての国際ネットワークと情報力を生かし、専門的知見を持つ営業部隊が企業ニーズを掘り起こすことでビジネスを獲得する」方針だ。

  三井住友Fは4月から事業部門制を導入した。部門別の財務目標は19年度の業務純益で、国際事業が16年度比14%増の4150億円、市場事業が6.5%増の3300億円、ホールセール事業が3.2%増の4800億円、リテール事業が5.6%増2850億円を計画。このほか、金融と情報技術(IT)を融合させたフィンテックや店舗改革などでコスト1000億円削減、人員再配置で4000人分のスリム化効果を目指す。

  国部社長は、自然生物学者ダーウィンの言葉を引用して「変化に適応できるものが生き残る」と指摘。その上でマイナス金利や国際規制強化など「われわれを取り巻く環境は変化が激しく、ビジネスモデルの見直しや自己変革などが必要。何もしないことは後退を意味するので、いろいろなことに取り組んでいく」と述べた。 

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