債券下落、10年入札前や超長期オペ結果弱めで売り-中期債軟調も重し

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  • 新発5年債利回りがマイナス0.115%に上昇、中期債が重しとの見方
  • 6月の買い入れ額が据え置きならブルフラット化の圧力-野村証

債券相場は下落。前日の米国債相場の上昇を受けて買いが先行した後、10年債入札を翌日に控えていることに加え、日本銀行の長期国債買い入れオペ結果が需給の緩みを示したことで売りが優勢になった。

  31日の長期国債先物市場で中心限月6月物は前日比2銭高の150円77銭で取引を始め、150円78銭まで上昇後は下落に転じ、150円66銭まで売られた。結局は8銭安の150円67銭で引けた。

  現物債市場で長期金利の指標となる新発10年物国債の346回債利回りは、日本相互証券が公表した前日午後3時時点の参照値より0.5ベーシスポイント(bp)高い0.04%で推移した。新発5年物の131回債利回りは同1bp高いマイナス0.115%と、25日以来の水準で取引された。

  SMBC日興証券の竹山聡一金利ストラテジストは、「中期債の需給逼迫(ひっぱく)感が後退して金利が下がりづらくなっている上、10年入札に向けて押し込む動きもあるだろう」と指摘。「超長期債はオペ結果が弱めで、フラット化している20年債を外して入札で10年債に入れ替える動きも考えられなくはない」との見方を示した。

  超長期ゾーンでは、新発20年物の160回債利回りが0.5bp上昇の0.56%、新発30年物54回債利回りは一時0.5bp高い0.80%、新発40年物10回債利回りは0.5bp高い0.955%にそれぞれ上昇した。  

日銀買いオペ  

日本銀行本店

Photographer: Kiyoshi Ota/Bloomberg

  日銀がこの日実施した長期国債買い入れオペは、残存期間「1年超3年以下」が2800億円、「3年超5年以下」は3000億円、「10年超25年以下」は2000億円、「25年超」は1000億円と、いずれも前回から据え置き。応札倍率はいずれも3倍台で、10年超のゾーンが前週末のオペに比べて上昇した。

日銀国債買いオペ結果はこちらをご覧下さい。

  日銀はこの日午後5時に6月の長期国債買い入れの運営方針を発表する。5月の方針では「3年超5年以下」の買い入れ額のレンジが「2500億円から3500億円」と500億円引き下げられ、1日の同年限のオペは3000億円と前回から200億円減額され、その後は金額が据え置かれている。

  野村証券の中島武信クオンツ・アナリストは、「今後も減らす方針であれば次は25年超の減額の可能性が意識されやすいが、据え置かれた場合は緩やかなブルフラット化圧力がかかり、低金利・低ボラティリティの状態が続く」との見方を示した。

  SMBC日興証の竹山氏は、「中期ゾーンは増額しても良いぐらいだが、5年債のマイナス0.1%を意識しつつレンジ内なら変更する必要はない上、超長期ゾーンも減額してあえてスティープ化させる必要はないだろう」と言う。

10年国債入札

  財務省は6月1日に10年利付国債の入札を実施する。償還日が3カ月延びるため、新しい回号となる。発行予定額は2兆3000億円程度に据え置き。

  しんきん証券債券営業部の高井行夫金融市場アナリストは、「ここもとの入札は強い需要が見られず、入札後に弱ければ買うというところがあり、あすの入札も積極的な買いは見込めない」とするものの、「無難にこなせば翌日の日銀買い入れオペもあり、週末にかけて強くなる可能性がある」と言う。

過去の10年債入札の結果はこちらをご覧ください。

  31日付の日本経済新聞によると、財務省は新発国債の入札から発行までの「決済期間」について、2018年5月から入札の翌営業日にそろえる方針だ。これまで10日以上かかる月もあったが短縮され、投資家が抱えていた急激な価格下落などのリスクが低減される。

  しんきん証の高井氏は、「決済リスクの低減で債券を心配しないで買えるような形になる。月初に入札の10年債がオペにすぐ持ち込めないというようなことがなくなる」と指摘した。

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