日本株下落、米金利低下の銀行、石油安い-引け際MSCIリバランス

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  • 米個人支出統計、消費者信頼感指数は強弱まちまちの内容
  • 中国の製造業PMI、判断分かれ目の50維持で円高一服

31日の東京株式相場は下落。米国の長期金利低下が嫌気され、銀行株が安く、海外原油市況の下落を材料に石油・石炭製品株も売られた。パルプ・紙やゴム製品株も軟調。ただ、海外市場で進んだ円高の勢いは限られ、中国の経済統計が悪化しなかった影響もあり、株価指数の下げは限定的だった。

  また、きょうの大引け段階で世界的な株価指数であるMSCI指数の半期見直しに伴うリバランスが機関投資家や指数連動型ファンドなどの間で行われるため、買いインパクトの影響上位だったJR九州ディスコが取引終了間際に急伸した。

  TOPIXの終値は前日比4.30ポイント(0.3%)安の1568.37と3営業日ぶりに反落、日経平均株価は27円28銭(0.1%)安の1万9650円57銭と4日続落。

  アセットマネジメントOne・調査グループの清水毅ストラテジストは、米国景気は「1ー3月期に落ち込んだ後に戻ってくるとみられていたが、回復を示す状況証拠が出てきておらず、不透明感が募っている」と指摘。週末には「雇用統計があり、来週は英国選挙やFOMCなどイベント目白多しで、様子見ムードが強い」と話していた。

東証アローズ

Photographer: Tomohiro Ohsumi/Bloomberg

  30日の米国債は月末のポジション調整などから上昇し、10年債利回りは2.21%と4ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)低下した。米商務省が発表した4月の米国個人消費支出(PCE)は前月比0.4%増と昨年12月以来の伸び。一方、5月の米消費者信頼感指数は117.9と前月の119.4(速報値120.3)から低下と経済統計は強弱まちまちだった。

  東海東京調査センターの隅谷俊夫チーフストラテジストはPCEについて、食品とエネルギーを除くコア価格指数が前年比で1.5%の上昇と「伸び率がかなり低下している。物価があまり上がらない中、6月後の追加利上げに対し懐疑的な見方に傾いている」と言う。

  祝日休場明け30日の米国株は、S&P500種株価指数が0.1%安と軟調。30日のニューヨーク原油先物は、石油輸出国機構(OPEC)の減産延長の具体的効果を待ちたいと0.3%安の1バレル=49.66ドルと弱く、アジア時間31日の時間外取引でも下げた。ゴールドマン・サックス証券は17年の原油価格見通しを引き下げた。

  米経済の不透明感などからきょうの日本株は売り先行で開始、日経平均は午前に一時88円(0.5%)安まで下げたが、その後は下げ渋った。きょうのドル・円は一時1ドル=111円20銭台と、前日の海外市場で付けた1ドル=110円60銭台に対しドル安・円高の動きは限定的。米市場では1日に供給管理協会(ISM)の製造業景況指数、2日には雇用統計の発表を控え、米金融政策の行方を見極めようと持ち高を一方向に傾けづらい状況にある。

  また、31日午前に発表された中国5月の製造業購買担当者指数(PMI)は51.2と市場予想の51.0をやや上回った。SMBC日興証券の肖敏捷・中国担当シニアエコノミストは、「金融規制強化による実体経済への影響が懸念され、50を割るのではないかという見方も出ていたが、当局が軌道修正に乗り出しており、最悪な事態は免れた」と分析。大和証券投資戦略部の高橋卓也シニアストラテジストも、「市場予想を上回り、やや為替が円安方向に戻した。日本株にとって悪い材料にはなっていない」とみていた。

  東証1部33業種は石油・石炭製品、パルプ・紙、銀行、ゴム製品、鉄鋼、電気・ガス、その他金融など26業種が下落。保険や化学、不動産、精密機器、情報・通信など7業種は上昇。情報・通信株は16年ぶりの高値を更新した。売買代金上位では三井住友フィナンシャルグループ、新日鉄住金、東芝、アイシン精機、京浜急行電鉄が安い半面、ゴールドマンサックス証券が投資判断を上げたNTT、メリルリンチ日本証券が判断を上げた昭和電工は高い。

  • 東証1部の売買高は20億1898万株、売買代金は3兆176億円、代金はMSCI指数のリバランスの影響で8日以来の高水準に膨らんだ
  • 上昇銘柄数は622、下落は1282 
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