自民・下村氏:PB黒字化目標年度の見直しを-教育国債は投資

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  • 教育国債で奨学金、卒業後年収300万超えなら返還求める
  • 年内に自民改憲案、教育無償化と自衛隊盛り込む-公明の賛成不可欠

自民党の下村博文幹事長代行は、政府が財政再建目標として掲げる2020年度の基礎的財政収支(PB)黒字化について、目標年度の見直しを求めた。安倍晋三首相が拡大に意欲を示す教育投資は将来大きな経済効果を生むとし、財政健全化に優先させるべきとの考えを示した。30日、ブルームバーグのインタビューで語った。

自民党の下村博文幹事長代行

Photographer: Tomohiro Ohsumi/Bloomberg

  見直しにあたり下村氏は、無条件の先送りではなく、別の将来ビジョンを示す必要があると強調。教育への歳出が将来の歳入につながると国民が納得し、目標年度が「例えば30年度になるということが理解できるようなことであれば、反対にはならない」と話した。

  高等教育の無償化について下村氏は、「奨学金を使って学生が無料で大学に行く」仕組みが必要だと説明し、卒業後、年収300万円程度を超える元奨学生を対象に返還を求める制度が望ましいと話した。財源として提唱している教育国債は先行投資として発行する考えも示した。

  下村氏は、建設国債は1.1程度の乗数効果があるのに対し、教育国債は2.8-3.2倍の乗数効果が期待されるとの試算を紹介し、「教育国債は赤字国債とは違う。投資と考えるべきだ」と語る。高等教育を受けた個人は所得が高くなる傾向にあり、その分、納税額も増えると説明し、党内に理解を求めていくという。

  財政健全化計画では、毎年度の予算で、社会保障費を5000億円、非社会保障費を300億円程度の伸びに抑える「目安」を設定しており、教育費は非社会保障費に含まれる。下村氏は来年度予算でこの枠を維持するべきかとの問いに対し、党内議論はまだだと前置きした上で、「経済成長なくして財政再建なしという視点から考えていく必要がある」と述べた。

憲法改正

  安倍晋三首相は20年の改正憲法施行を目指しており、教育無償化も検討対象の1つとして挙げている。下村氏は年内にまとめる自民党の改憲案に、自衛隊の存在と合わせて盛り込むと明言。9条改正については、1項、2項と矛盾せず、拡大解釈の余地を残さぬ形で自衛隊を明記する文言を検討していくと話した。

  下村氏はさらに「公明党には党をあげて自民党と同じ案で賛成してもらうことが必要」と述べ、党内議論と並行して調整作業を進める考えを表明。民進党については党内で賛否が分かれる可能性があるとし、賛同する議員からの賛成を求める考えを示した。来年の通常国会において憲法審査会で自民党案を提出し、国会発議まで実施する日程を描いている。

  憲法改正のための国民投票と衆院選との関係については「憲法議論と選挙のタイミングは別の話だ」と述べ、「解散権は縛られるわけではない」と強調した。
  

  

(最終段落に下村氏の発言を追加します.)
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